第13話
橘さんはどうやっても勝てないとわかっていても最後まで勝負していた。
それで、『もう時間も遅くなってきたから今日はおわりでよくない?』と、言ったら
『次は負けないから』
ムスッとした顔で去っていった
次はあるのだろうか?
まいっか、そろそろ握手会も終わる頃だし、
あの人たちと合流しよう
ーーーーーーーー
メールでやり取りしながら合流場所を決めて
合流場所についた
「皆さん、握手会どうでした」
「ああ、来ましたか。いやあ至福のときであったでござる」
「それはなにより」
「あとですね。今日も!私たちにこっそりでしたが特別な対応をしてくれたのであります!」
ん?特別な対応って何?
聞くところによると、彼女たちは最初期からいたメンバーに他のファンより握手する時間を長くしたり、グッツの購入に役立つものくれたりと、
あまり大きくはないが、ファンにとってはすごく嬉しいことだ。橘さんが知ったらガチギレしそう
ん?あれ、ちょっと待て
「あの俺握手会行ってないからそれ受けられてないんですけど」
そう言うと、みんな一斉にそっぽを向く
「ね、ねえ俺は何かないんですか!?」
一際強く言って、詰め寄る
「諦めるでござる」
「諦めろ」
「信条は曲げちゃ駄目だよ!」
「ああ、あのアイドル様のお手には触れない的な発言ね」
更に追い討ちかけるなよ!
心の中で愚痴りながら、俺は床に膝をつけるように倒れ込んだ
「あーあ、落ち込んじゃった」
「あ、あたしのせいじゃないよ!?」
「まあまあ、一旦落ち着くでござる。ブフっ」
おい、笑い声漏れてんぞ
「笑い事じゃない!もういい、俺はこっから動かないぞ!」
自販機の隅に隠れるように座り込む
「あーあ、拗ねちゃった」
「アイドルのことになれば途端に情緒不安定になるのがさかさか氏でありますからな」
ウンウンと頷いている
それから、説得するのに1時間半程度掛かったとか、掛からなかったとか
ーーーーーーーー
「は〜〜〜〜っ」
「ものすごいため息ですね」
「まさかそんな好待遇されていたとは」
ていうか、いつも帰ってる時間からだいぶ過ぎたな。こんなこと一度なかったから新鮮だな
「ていうか、すみません。こんな時間になっちゃいましたね」
「いえいえ、謝る必要はないでござる。自分も同じ体験をしたら3日間寝込んでいたでござる」
爽やかにそう答える。聖人君子?
その後も他愛もない会話をした
「あれ、ねえ君たち!」
突然うしろから声をかけられた
みんなして一斉に振り返ると
「ええ!!もしかしてサンムンの皆様ですか!?」
いち早くアカマルさんが反応する
声をかけてきてくれたのはノゾミさんで
その横他のメンバー
「え、嘘!?」
アカマルさんに次いでみみみさんも反応する
俺は後ろに並んでいて、みみみさんは俺の前だったから今みみみさんが俺を抑えるようにサンムンのメンバーを見ている。
イテテテッ、
ちょまて肩が!肩に手をおくn—イテテテッ!!
握力強いなおい!
「あ、みんなだやっほー」
このメンバーで多分一番マトモなヌコさんが
手をブンブン振りながら、呼んでいる
「皆さん、今日もライブ来てくれてありがとうございます!」
純粋な笑顔で笑う
あれ?目から塩水が?
「一人浄化されてる人いますね」
「なんでサンムンのメンバーがこんな夜遅くにこんなところにいるんですか?」
「それはー、ライブのあとは恒例の反省会があるから帰りが遅くなるんだよ!」
今でも元気が有り余ってそうなアカリちゃんがいう。
そんでもってみんな勤勉だな〜
「それで今は反省会も終わって帰りですか?」
「はい、そんなところです。今からみんなでご飯でも行こうかなと相談してところです」
「あー、ご飯かもうそんな時間だったなー。誰かさんのせいで」
う、そんな目で見ないでくださないよ
「まあ、僕は気にしてないし、ミミミさんいじりたいだけしょ」
「まあ、そんなとこ?」
「おい!」
いじめちゃだめって小学校で習わなかったのかよ
「ノゾミさんたちの話をしてたら僕もお腹すいたので、僕たちもどこかで食べます?」
「自分はいいでありますよ」
「あたしも賛成です」
「私も!」
「じゃ俺も」
そんな感じでイツメンとの外食が決定した
成り行きだけど、もうどこに行くか決めている
自由すぎるんだよなー。
まあ、それが面白いんだけどね
「あ、あのー」
控えめに手を挙げているアイちゃん
「どうしたの愛?」
ノゾミさんがアイちゃんに聞く
「あの、せっかくなので一緒にご飯に行きませんか!?」
一瞬静寂に包まれる
「えっと、それはあたし達とサンムンのみんなで行こうってことで合ってるよね?」
「は、はい!」
「まあ、いんじゃないの?」
「僕もいいっていうか、嬉しいですし」
「まあ、こっち賛成多数でサンムンのみんなはどうする?」
サンムンのみんなで話し合っている
「バレなきゃ大丈夫ってこと私たちも行きます」
こうして
アイドルとファンの食事会が決定した
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