第12話

「なんで物品販売のところに行くの?」


その場クルッっとターンする


「番号だけが全てじゃないわ、それに胡座をかいて、サンムンのことを全然わからないかもしれないじゃない」


ホ〜?この小娘なんか言ったか?


「悪いけど、俺は地下のときからサンムンを知っているからな、格が違うんだよ」

「なっ、」


絶句して、子供みたいにに反抗してくる


「うるさい、とりあえず早く来て!」


そう言うだけ言ってズンズン、歩いていく


「ハ〜」


ため息を吐いて彼女の後ろについていく





ーーーーーーーーーー




「勝負よ!」

「唐突だな」

「私はあなたに負けないわ」


声を高々に宣言にする


ていうか、普段の橘さんから全然想像のできないことしてるよな。

サンムンのことは置いといて?


「なあ、橘さんって普段からこうなの?」

「普段からってどういうこと?」

「いや、学園だともっとこうクールというかなんか今の感じとは全然違うから」

「い、いやそれはっ」


ここでちょっと詰まる


「あなたには関係ない」


少し下を向きながら言う


普段の俺なら深く関わらなく『そんなもんか』

とだけ思うだけだが、


(でもな〜、そこまでこっち来んなオーラプンプンだと翼と話す機会が失われてくるんだよ〜)


そうなってくるとこちらとしてもいいものでもないし、

—突っ込んでみるか


「でも、なんか迷ってる?みたいな顔してたから、俺でよければ聞くけど」


我ながら下手な切り口だな、心中で失敗したなとかおもってると、


「何が迷ってる顔よそんなことないわよ」


食いついてきた?この好機は見逃せない


「なんか相談にでも乗ろうか?」

「大丈夫よ」


拒否された。だが、明らかな拒絶じゃない

やんわりした感じが言葉の節々から感じた


「まあまあ、人助けだと思って」

「なんであなたが助かるのよ」

「俺って気になった事があるとそれがスッキリするまで寝不足になるまで考えちゃうんだよね」

「なにそれ」


軽くあしらわれた。これは無理かな

—そう思っていると


「でも、そうね」


独り言を呟いている


「ね、ねえこれは友達の話なんだけどね」


そう切り出して話をしだした


「その子はお受験とか人と関わるのが苦手なこともあって家に引き籠もってたの」


ん〜?それたちばn—


「それでだんだん話すのができなくなって—」


·······まあ、つまりなんだ要約すると


勉強しすぎて話し方忘れた、友達いないオワタ


ってことかな?

多少省いたところあるけど、まあ大丈夫っしょ


でも、なるほど橘さんの攻略方法は分かったわ

案外簡単に済みそうだな?

後は翼にそれとなく今話したことを話せば

前向きに橘さんと関わってくだろ

翼はお人好しが過ぎるからな


「そんなところよ」


話を一通り話し終えて息を吐いている


「橘さんも大変だったんだね」

「そうなっ、違うわ今のは友達の話」


若干肯定したな〜とか思いながら温かい目を送る


「とっ、とにかくこの話はもうおしまいよ」


雰囲気に耐えられなくなったのか話を打ち上げる


「それより、サンムン理解度の勝負よ」


勝負の内容それかい。

それだったら負けないわ

心の中で勝利を確信する





ーーーーーーーーー




そこからは何故かサンムン理解度勝負が行われた

その勝負は血で血を洗う激戦—


—ではなく、俺の圧勝だった



「あ!このアルバムの発売日は2年前だったわよね、懐かしいわ」

「あーそれね、9月10日に発売されたよね」


「アイドル名がサンムンになった理由はしってる?」

「お泊り会のノリ」

「くっ···!」


「ノゾミちゃんは甘いのが好きだけどその中でも好きなのがパンケーキよ」

「でも、テレビの特集でパンケーキって答えたあとに小声で『少しこってりしたものも·····』って言ってたけど」

「そうなの!?」


うーむ、格の違いを見せつけてしまった






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