第10話

「みんなーー、今日もきてくれてありがとー‼

目一杯歌って踊るよー‼」

「うおおおぉぉーーーーー‼‼‼」


一言でスタジオ内が熱気に染まる。ガチ熱い

ステージの上で歌って踊っているアイドルがいる


ノゾミ(望)—サンムンのセンターでリーダー絶大な人気がある。何事にもひたむきに努力する姿勢が人気の理由である


アイ(愛)—その人懐っこい性格と可愛らしい容姿で一部の熱狂的なファンがとある事件を起こしたほど


チカ(千歌)—その名前通り歌のパフォーマンスは群を抜いていて、もともとアイドル好きだった人が精神異常を起こした時その歌を聴いて精神が少し安定したとかなんとか


ルナ(月)—ラテン語で月。儚くも月のように美しい容姿。身長の小ささも相まってファンの中ではー妹ちゃんーと呼ばれている


アカリ(灯)ー元気ハツラツで、元気な声元気な体っ、ゲフンゲフン。元気がアイドル衣装きて踊ってるような子だ


「みんなイキイキしてますね」

「やっぱそう感じますよね」


ペンライトを振りながら同調する


「長かったようで、短かったけど最後行くよ‼」

「最後まで見ててね♡」

「ラストスパート全力でいきます!」

「私、頑張ります」

「君達ー、ボクを全然疲れてないよー」


ああ、もう最後かあっという間に終わったな。

いや、まだ終わってないしまだ爪痕残せるな

ニヤッとわらって


「アカマルさん、あれやりましょ、アレ」

「ほう?今やりますか、ちょうどいいですね」


語尾にござると言うチカちゃん推しのひとが

メガネをスチャッっとする


「クロイヌさんもやりましょうぞ」

「いいですね」

「お、男衆は男衆で盛り上がってるね」


ストレート髪の女性—みみみさん—も引き立てる


「それじゃ、行きますよ〜。せーの」


「「「合体!!!!」」」


クロイヌさん、アカマルさんが下に俺がお二人の膝に足を置き、上にそして—


「「「—サンムン、オンステージ‼‼‼‼」」」

「いや、それ言うの遅くない?」


全力で虹色に光るペンライトを振るのであった····


一瞬サンムンのメンバーと目があったのは気のせいだろうか?きっと、気のせいだな。





ーーーーーーーーー





「いや~、今日も楽しかったですね」

「そうですねー。でも、まだ終わってませんよ」


そう、このあとは握手会と物品販売がある


「さかさか氏はまたいかないのですか?」


抽象的に聞いてくるアカマルさん


「握手会ですか?そんな恐れ多いですよね僕みたいなボンクラが彼女ら天使のお手に触れるなんて」

「今日もさすがの過激っぷりですね」


呆れたように、みみみさんがあたまを左右にふる


「あたしは最推しのあいちゃんと握手してきますね」


ここで、ライブ中ずっと号泣していたヌコさんがやっと発言した。今でもハンカチで目元拭いているし


「まあ、人それぞれですからね。観点っていうのは」

「そうですよ、よく言ってくれましたクロイヌさん」

「ハハハは」

「アハハハ」

「「ハハハハア」」




ーーーーーーーーー




みんな握手会行っちゃたし、俺は物品販売のところ行こうかなー。

そんなことを考えながら物品販売のところに繋がる廊下の角を曲がったところで—


「キャッ」

「いて」


誰かとぶつかってしまった。すぐ謝らないと


「だ、大丈夫ですか!?」

「ええ、平気です。え?」


ん?

なんかどこかで見たことあるような無いような


「あ、あのもしかして橘さん?」


そこには私服姿の橘さんがいた








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