第7話
「せっ、せんせい!?」
「ん?あ、あなたは坂本さんですか!?」
段ボールに下敷きになりながら希望に満ちた目でこっちを向いた。
「あ、あのここから引っ張り出してもらいませんか!?」
「え?ああ!い、今出しますね!」
俺も結構動転してんだけど、どういう状況だよ!
とりあえず段ボールをどけて助けないと
「ありがとうございます、おかげで助かりました。」
「いえいえ、これくらい大丈夫ですよ」
「そう言ってくれると助かります」
ニッコリ笑いながらそんなことをいう
「ところで先生はこんな所で何をしてたんですか?」
「ここでは、授業で使う資料を探していて、なかなか見つからなくて段ボールが崩れてしまったんですよね。面目ないです」
「そうなんですか?だったら僕も探すの手伝いますよ」
「え!だ、大丈夫ですよ生徒には迷惑はかけられませんですし」
急に言われたからか、慌てる先生。小動物?
「いえいえ、僕、今日は何も用事ないんで遠慮しないでください」
「う、じゃ、じゃあ申し訳ありませんが、手伝ってもらえますか?」
「はい、喜んで」
それからしばらく1時間ぐらい探した。
何気に資料室でかいんだよな。
少し疲れが溜まってきたところで、
「あ、ありました!ありましたよ!」
そんな声が聞こえたので振り返ってみると、
授業用だと思われる紙束を持ったまま、飛び跳ねている。容姿のこともあって普通に幼い子供なんだよな~、と思っていると、
足が当たったのか棚から段ボールが落ちた。
「ちょ、先生危ない!」
ドンっ、段ボールがもろに頭にあたった
「いてて、先生、大丈夫ですか」
目が開けずにいて、どこか体を支えようと手を伸ばすと—
—ムニッ
ムニ?はて?これはなんの効果音なのだろうか
恐る恐るそこには真っ赤に赤面した先生と先生の胸をホールドしている自分の手があった。
「〜〜〜っ!」
「す、すいません先生!」
まずい、何か弁明しないと!そうだ、土下座だ!
土下座をしよう!
「先生、本当に誠に申し訳ありません!!!」
多分、自分史上最高の出来栄えの土下座だと思う
「い、いえ。大丈夫です。ええ、大丈夫ですとも」
顔真っ赤っかにしてそれ言っても説得力なんですけど!
「あ!それより段ボールあたって大丈夫ですか!?」
「あ、それは大丈夫です」
「そ、それは良かったです。今回は私の不注意でした、すいません!」
「ホント気にしてないんで、大丈夫ですよ。それより資料見つかって良かったですね」
「はい、そうですねこれで明日の準備ができます」
「そうですか、良かったです。それでは僕はこれで」
まあ、今回の出来事は先生のブツもさわっちゃったし、棚からぼたもちならぬ、棚から段ボールだったし。
「ちょっと待ってください!」
「え?」
「あの、今から帰りですよね。よかったら私に家まで送らせてください!」
「え!?」
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