第6話
「で、なんで学食にいるんだ?」
「私もお昼を食べたかったからついでにと思って。それに、あなたのお友達もいるんだしいいじゃない」
「まあ、そうだが」
「それに、私を侮辱したのだからこれくらい付き合ってもらわないと」
歯切れが悪そうに頷いた。
「俺はそもそも状況がわってないんだけど?」
「まあまあ、それは追々話すから」
「?わかった?」
そこで一旦昼食を食べることにした。
無理矢理感が否めないがなんとか翼と橘さんの接点を作ることに成功した。内心心配で心臓バクバクだったよ。
ちなみに、机の座席としては翼の隣が俺で翼の正面が橘さんだ。
さて、ここで一つ問題がある。
そう、周りの視線が滅茶苦茶痛い!
「おい、橘様がいるぞ!」
「うお、本当だ」
「やっぱりいつ見てもかわいいね~」
「男は近づくんじゃねぇ。タヒねタヒねタヒねタヒねタヒねタヒね」
一部の熱狂的なファンにもうすでに命狙われてるんだよ!
「ご機嫌うるわしゅう!橘律花さん!!」
おいおいまた新キャラかよ、胃が痛いよ。
もうなんだ?随分とお嬢様口調だな?
「またあなた?」
「ええ!また私です!
さあ中学の頃は断念しましたが、今日という今日は私が所属する生徒会に入ってもらいますよ!」
「何度も言ってるけど、入る気はないわ」
知らん顔をして、そっぽを向いている。
「それに、私、前のお二人と昼食を食べているんだれども」
「前の二人?あらあなた達誰ですの?ごめんなさい、眼中になかったもので」
あら、なんともまあ高圧的。私びっくりしたよ。
「まあまあとにかく、さあさあ律花さん!由緒正しき我らが委員会に入りましょう!」
と、ここでまたもや周りが騒々しくなった。もう吐くぞ?いいのか吐くぞ、いいんだな!?
「おいおい、西園寺さんまでいるぞ」
「あの西園寺グループの令嬢か?!」
「キャーッ、西園寺さんだわー!」
そこで、俺は考えに考えた。
胃が痛くなりすぎて穴が空くほどなので、もうバックレ手もいいんじゃないか?
しょうがい。これなら言い訳も通用するだろう
いやもう、翼と橘さんとの接点を作れたし。
スキル—隠密
説明しよう隠密とは存在感が一定値を下回ると使用できるスキルだ
要約すると、存在感薄すぎて草
ーーーーーーーーー
放課後になった。
「いやあ、昼のときバックレたことバレなくてよかった〜」
そんな独り言を呟きながら校舎を歩いていたら、
—ゴンガラガッシャン
「え?」
音の方を向くとそこは資料室だった。
そして流れる時間。
「めっちゃ大きい音したけど。え?これ事件性ないかな?怖いんだけど!?」
少し考えた末開けてみることにした。
恐る恐る開いてみると—
「せっ、先生!?」
そこには無数の段ボールに馬乗りされたひより先生がいた。
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