第3話
そんなこんなで、馬鹿なことを考えている坂本くん。
そんな坂本をよそに高校初のHRが始まった。
が、一向に先生が来ない。生徒たちがざわめきついた時、教室の前の方のドアが開いた。
「すっ、すいません皆さんお待たせしました。
遅れてしまい申し訳ありません」
そこには小柄な可愛らしい人いて、肢体がくっきり見えるスーツを着ている。
「ごめんなさい皆さん、まず、私の自己紹介をします。今年から新任教師となった中村ひよりといいます。初めてなのに担任教師になり緊張していますがよろしくお願いします。」
普通、学校初日遅刻となると、多少なりともヘイトを買ってしまうが、ルックスも相まって全くそれを感じさせない。
「なあ、あの先生可愛くね?」
「まじわかる。それな!」
「このクラスでよかったわー」
とそのような会話が聞こえてきた。耳がいいのも考えものだな。
そんな会話の後も学校の説明をした。構造だったり、規則だったり、事細かく説明された。
「明日から普通に授業があるので早速ですが気持ちを切り替えていきましょう。今日はこれで終わりになりますから、みんなさようなら」
先生の言葉に生徒たちは思い思いに帰路についた。
忘れるとこだった。翼と橘さんはどうだろう?
あれ、翼はいるけど、橘さんはいない?
帰るのはや!って思ったけど翼の方はなんかもう友達作ってんだけど?みんな行動早くない?
「裕太、俺はもう変えるから、じゃあなっ」
「あー悪い、このあと用事あるんだ」
「そっか、わかった」
それから一応翼が作った友達たちにもよろしくと言っといた。
それから俺は全力疾走して一人暮らしの部屋で支度して出かける。
そしてお昼時でも夕食時でもない今でも結構盛り上がっている個人経営の飲食店の裏手に向かう
「父さん?」
「ん?おう、やっと来たか」
はい、ここはうちの父が経営している店で俺は擬似バイトをしている。これがまた重労働でな、
黒と白の比率でいうと、10対1ぐらい?
「早速だが、今ホールが忙しくてな、そっち頼む」
「はーい」
「ご注文は枝豆と肉じゃがですね」
「ご注文はビール五個ですね。あなたいっつもこの時間帯に飲んで大丈夫なん?」
「ご注文はハンバーグとライス中ですね」
「ご注文は抹茶アイスと豆知識ですね。
今注文した抹茶アイスの着色料はバッタの足ですよ~、ごゆっくり~」
「あ、抹茶アイス取り消しで」
「抹茶アイス2個ですね」
「ちゃうわ」
注文の嵐だよ。途中変なの混じってたけどあれは常連さんだから問題ナッシング。
よし、今日は疲れたし帰ろう。
「あ、裕太悪い。厨房もやってくれないか」
·····、バイト戦士再降臨
「なんで、こんな難しい料理やらせるんだ!」
「いやあ、何事も挑戦は大事だろ?俺はお前のことを思ってだな·····」
「······本当は?」
「お客さんからな、これ作れっていわれてな、めんどくさくなった」
「········」
黙々と作ろう。何も考えずに。
あと、それ全員常連たちだろフザケンナ。
つまり全員敵!
「あー、腰痛い。頭痛い。全身痛い」
早く寝よう。お肌に悪いわよ、早く寝ないと。
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