第2話

朝の事件からちょっとして入学式が始まった中学の時から思っていたが、入学式って寝るぐらいしかやることなくない?

もうねめっちゃ暇、校長先生だったり、その他の先生だったり、学校の関係者が喋るだけ。

睡魔がやばかったです。

そんな入学式が終わりこれから我がクラスになる

1−4に行く途中で、


「よっ!裕太」

「ん?ああっ、翼か」


中山翼。中学の時ずっと一緒にいた俺の数少ない友であり親友である。受けようとしたとこが同じになるぐらいには仲が良い

ちなみにこいつの顔はマジでイケてる。今朝の事件の渦中にいた桐生院だか医院長さんだかのお顔と同等くらいだ。見る人によっちゃ翼の方がいいっていう人もいるくらいのイケメン。まあ、俺もこいつに顔は整っているぞ、言われた。嫌味にしか聞こえないんだか?


「俺がいいのもなんだが、裕太ってホント影が薄いっていうかなんていうか」

「それは酷くないか?まあ、それが俺の体質ってまである」


まあ、逸話をいっぱいある。クラス替えの時の自己紹介した直後に名前を忘れられるという異常事態。なんで?


「そういえば、翼って何組なんだ?」

「俺は4だぞ。お前は?」

「そうなのか?俺も4組だぞ」

「おお、そうなのか!また一緒だな」



実は、俺も表面以上に嬉しかった。翼と一緒のクラスに慣れたのも嬉しいが、それ以上に俺はある事を楽しみたかったのである。


俺達はクラスに入ってそれぞれの指定された席座った。ちなみに俺の席は一番廊下に近く、後ろの席だった。翼も席に座ったらしくその席は窓側の一番うしろだった。

それから俺は脳内で音楽流したり、寝たりして時間を潰していたとき。教室の前のドアから美少女が来た。今朝の子だ。

その美少女—橘さん—は迷いなく俺の席に近づいていき······一瞬俺の席が空いていて隣に座るのかと思ったが、そのまま素通りしてくれて俺の親友の翼の隣りに座った。

その時、坂本裕太という一人の青年に雷が走った。

(ふぁっ! ラブコメの予感!!)


普通だったら自分の親友が美少女の隣の席になったのなら少しばかり嫉妬したりすることもあるかもしれないが、この青年は違う。

そもそもイケメンと美女が隣同士の席人あっただけで波動を感じているのは頭のネジが飛んでいるのかと思われるだけだろう


(ラブコメだ!美女とイケメンの幸せフルコースのラブコメだ!何人たりとも土足で入り込むのも憚れるラブコメだ!お前は最高だ翼!!)


前述したあることとはこのことである。

そう、それはラブコメをしたいのでなく、見たいということである。

一通り説明したが、

なんか、虚しいな。イキってるだけに見える。


(俺は客観的に見て恋をあまりわかっていない。だって恋愛って数学とかと違ってちゃんとした答えないし、俺が主人公のラブコメあったらそれはバットエンドしかないやつになるよね?)


つまり、青年はラブコメを体験したいのでなく、見たいのだ。

自分の親友を主人公と、自分をただの傍観者だと。


「ククッ、面白くなってきた。翼のあの問題も加味しても神作になる。いや?あの問題を抱えているからこその神作になるんじゃないか?」


ブツブツ呪詛のように喋っている。

前の席の人が肩をビクビクしながら猛獣に噛まれないようにと大人しくしている。


いま、青年は今後の計画を練っている。




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