物語によくいるモブですが

@usayu

第1話

坂本裕太(さかもと ゆうた)。

それが俺の名前だ。

今年から俺は高校1年生だ。ピカピカだな。

そんなことはさておき、この舞台で繰り広げるのはごく普通の人生の1部だ。


ーーーーー


「ファーッ、眠い」


朝っぱらから気が抜ける欠伸をしてい青年が一人新品の制服を着て道を歩いている。それからしばらくして青年の目の前に大きな校舎がある。

あれがこの朝から欠伸をしている青年が通う四葉高校だ。

学校が見えてきたところで素直じゃない性格の青年もどこか浮ついた表情になる。


「何度も言っていますが、御断りします!」

と、そんなところでこの朝から一際大きい声がした


「なんだ?」


驚いて声がした方に目を向けるとそこにはちょっとした人だかりができていた。

気になったので近づいてみると民衆の声が聞こえてきた。


「おい、あれ桐生院先輩と橘律花だ」

「うお、マジだ桐生院先輩いつまでアタックする気なんだ?流石に厳しいんじゃないか?」


ざわざわした中からそんな会話が聞こえてきた。その話題の渦の中央にいるのが、

イケメンと美少女だった。


「俺は今でも思うよ、君が俺の運命の人だってことを」


そんなキザなこと言って片膝を地面につけて花束を持っているイケメン


「中学でも言いました。高校にはいったこの機に言います。はっきり言います。お断りします」


と、そんな強い口調で言う冷徹な目を持った美少女。

一瞬中学も?と思ったが、ここは確か中高一貫校だったかと思い出す。


「そんな硬いこと言わず、お願いします!この通り!」

「何度言われてもお断りします。それにここ、通学路のど真ん中ですよ?私たち生徒たちの邪魔だと思うんですけど」

「だったら、俺と付き合って欲しい!」

「私の話聞いていました?」

「勿論さ、君の言う事だったら一言一句聞き逃さないよ」

「なら今から言う事を一言一句聞き逃さないでください。私はあなたとはお付き合いしません!!」


それを言うと同時にその美少女は颯爽と学校に向かっていった。

「あっ、ま、待って」

イケメンは声を上げようとしたが、

「はぁっ、これで何回告ったか。俺もまだ諦めたくなかったけど、あんなこと言われたしなぁー」


と、そんなことを小声で言うイケメン。


そんな光景を朝からみるとは思いもしないかった俺は学校向かいながら渋面になり


「うーん、入る学校間違えたかな?」



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