第4話 ヤンデレ、諦めぬ

「私が貴方のことをしっかり知っているのは分かってくれたでしょ?なら早くこの婚姻届に名前を……」


「ストーカーだろ………」


「何度も言いますが私はストーカーではなく貴方の前世からの奥さんなんです。だから知っていて当然なんです。ストーカーとかいうチンケなモノと同じにしないで下さい。」


頑なにストーカーを認めない不審者。


「というか婚姻届、書くとか言うけど君何歳?」


「15です。」


「俺も15なんだよ。」


「はい。」


「いや、はいじゃなくてムリじゃん?」


「ムリ?」


「いやいや、結婚は18からだから。」


「江戸ではそんなのは関係ないです。夫と呼ばれれば夫、嫁と呼ばれれば嫁です。」


「江戸ではね?けど今は令和だからさ。時代が違い過ぎるからさ。」


「時代が私たちを邪魔しているのですか?」


「邪魔してるというか………」


普通のことなんだよな……普通のことを普通のように言ってるだけなんですよ。なのに、何そのロミオとジュリエット感。そんないいものじゃないからな?


「ともかく一旦落ち着いて。告白は嬉しいけど一旦落ち着いて………」


「落ち着いた場所に移動すればいいんですよね?では大河の部屋に行きましょう。」


「は?」


「知ってますよ。高校生活スタートと共に独り暮らしを始めたことを。」


「やっぱりストーカー………」


「だから私は貴方の前世の嫁ですから。」

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