お馬鹿な彼と恋愛不向きな私の恋愛模様

@kana_01

第1話 プロローグ


 始まりました。新しいチャレンジです。女性視点が多めの作品です。NTRもざまぁも有りません。ツンデレも無いです。ジレジレはあるかな。

 じゃあ何?って思う読者様は、途中で呆れずにぜひ読み続けて下さい。ほんわか恋愛模様です。


―――――


 私、譲原麗羅(ゆずりはられいら)。中学二年生。よくまあ字画の多い姓に字画の多い名前を付けたものだと思っている。


 そして私の傍に居るのは、同じクラスのASUKA・YOREN・CARLYLE(アスカ・ヨウレン・カーライル)。私には自分をアスカ(明日香)と呼んでくれと言っていた。本当は彼の名前はアスカ・カーライルなんだけど。


 名前で勘違いしないでほしい。私は決してGL(ガールズラブ)には興味は無い。明日香はれっきとした男の子だ。


 後で聞いた話だけど彼の親が女の子欲しくて日本の女の子の名前しか考えていなかったらしく、男の子の名前が思い浮かばず、この名前だったら大丈夫だろうと届け出たそうだ。


 もちろんエディンバラのお役所の人が日本の事情など分かるはずも無く簡単に手続きが済んだらしい。


 私と違い字画の少ない彼の名前は羨ましい。そして、今は国語の時間になっている。

「レイラ、これなんて読むんだ」

「これはね…」




 彼が入学してくる時の話を少しするね。


 まだ小学校三年だった私は、九月に転入して来る子なんて不思議に思っていた。だって日本の入学は四月だから。


 担任の先生が連れて来た子を見た時、クラスの全員が驚いた。金色に近い髪の毛、小学三年生にしては背が高く、色白でもやしの様に細い。


 本人の挨拶は、何を言っているのか半分も聞き取れなかった。先生がカーライル君はスコットランド生まれで、まだ日本語が上手く話せないから助けてあげてくれと言っていた。


 お父さんがスコットランド人、お母さんが日本人と先生が教えてくれた。金髪で顔は生粋のスコットランド人って感じ。まあスコットランド人の顔って知らないけど日本には全くない顔だ。でもだからかなとても可愛い顔をしている。


 そして先生は、私の隣の席に座る様に言った。彼が歩いて来ると

「…あ・す・か。よ・ろ・し・く」

 それだけ分かった気がした。

 

 普通はインターナショナルスクールに入って日本の環境に慣れて行くと思っていたけど、ご両親に後から聞いた話では、あそこに入ったら日本が分からない。

 だから最初から日本の学校に入れたと言っていた。私が逆の立場なら泣いてしまうよ。


 来た時は片言日本語で、物珍しさも有って、みんな彼に興味を持ったけど、有る事がきっかけでその熱は冷めて行った。


 それは算数の時間の時だった。掛け算九九も終わっている私達は、先生の説明をそのまま聞いていると彼がいきなり

「先生、一足す一は何故二なんですか?」と聞いた事から始まった。


 最初は誰も冗談としか思わなかったけど、先生が足し算は向こうで在学時に終わっているだろうと言ったら

「いえ、そんな事聞いていません。一足す一は自然数の理屈です」


 そこから彼は私達の理解出来ない聞いた事の無い言葉で事を話し始めた。それも聞いた事の無い言葉で。多分英語なんだろう。外国語が分からない私達はそう聞こえた。先生もお手上げで授業が止まってしまった。


 そして理科の時間には先生が水の話をしていたら

『水素の原子核は陽子と中性子が同居している仲のいい家族で一軒家だ』とか訳の分からない事を言って、また英語もどきで話し始めて先生が困っていた。



 それからみんなは奇異な目で彼を見る様になった。私もおかしな人だと思って気にしていなかった。


 でも、私は彼と一緒に居る事に抵抗が無かった。だから彼が分からない事は一生懸命教えてあげた。彼の言っている事を理解するのは始め大変だったけど。


 でも彼は小学校低学年からの漢字ドリルを真面目に一生懸命やった。勿論学校以外の場所で。そしていつも私は彼の先生役として傍にいた。


 後、日本語を覚える為に声の出る絵本や漫画も教えてあげた。明日香は日本の漫画は芸術だとか訳の分からない事を言っていた。




 中学生になって一学期が少し経った頃、彼がスマホを買ったから使い方を教えてくれと言って来た。理由は説明書が日本語で読めないと言う事だった。


 でも良く見ると英語でも説明が書いてある。何でと思ったけど。そして私のスマホの連絡先を教えてあげた。


 その夜、突然彼からメールが飛んで来た。


『とても可愛い譲原さんへ。僕はあなたをとても魅力的に感じます。だから教えてください。バスト、ウエスト、ヒップのサイズを』


 日本語が少し可笑しいし、中学一年生がこんな事聞いて来るの?と思いながら小学校の時の事も有り、私は悪戯に

『私のサイズは上から七十八、四十八、八十一』と教えてあげたらすぐに返信が来た。


 その内容はまたまた理解出来ない事が書いてあった。

『俺、悪い頭ので教えて下さい勉強』


 日本語も怪しいし、訳の分からない私はカーライル君にとても興味を持った。だから

『良いですよ』と返信した。




 そして今に至る。私達はまだ中学二年生。彼はこの前も理科の授業の時、先生が重力の話をしていたら

『先生、ニュートンの引力は目に見える物体に作用する古い物理学です。量子レベルになると…』


 また、変な事を言い始めた。流石に先生も何を言っているのか分からなかったらしく、その話は後でと言う事になったが、授業が白けてしまった。



 一見頭が良さそうに見えるけど彼はテストの点が良い訳ではない。そう漢字が読めないのだ。

 小学校から努力はしているけど、国語は依然駄目だ。テストの点はいつも赤点すれすれ。話をするには大分問題なくなったけど。



 学校からの帰り道、

「明日香、私達は中学生なんだから先生の話を聞いてその中で授業を受けようよ」

「レイラ、分かっているんだけど。頭の中が先生の言っている事を違うそうじゃないと言って来るんだ」

「明日香の頭の中でそう思うのは分かるけど、それでは授業が進まないわ。もし意見が有るのなら、授業が終わってからするのが良いと思う」

「レイラは一緒に居てくれるか?」

「勿論だよ」

「じゃあ、そうするよ」


―――――

変な内容満載ですがお許しを。

いつものようにのんびり始まるお話です。

面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

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