主人公の複雑な心情がとても興味深く、好みでした。義理の兄に構ってほしいけど、自分なんかには構わない兄が好き……ひねくれていて素敵。いっそ殺そう、となる心情の流れも滑らかで嬉しい納得感がありました。
最後、主人公か濁流に飲み込まれた時、鬱々とした想いも一緒にすべてが勢いよく流されていく感じがして、おー!とカタルシスを感じました。
兄の意思で弟を引き込んだのか、単に完成した絵にそういう力があったのか分かりませんが、前者だったらいいなと思います。
兄はその母に何度も水に沈められ、主人公は兄を水に沈めましたが、多分どちらも愛による行為だと思います。その経験から彼らが自分を殺す水に愛を感じられるなら、溺死で死ねたのは幸せだったはず。
兄弟がお互いに幸せな死に方をさせてあげられたと思うと、二人とも死んでいるけど、喜ばしい気持ちです。遠回しな心中ものとして心にしまっておきます。
作者からの返信
感想と素敵なレビューありがとうございます!
色々考えながら読んで貰えたようでとても嬉しいです。印象に残る作品となっていなら幸い。
いつも読んで下さり、ありがとうございます。感想、大変励みになっております。
Xの方に本作に関するメモとか少し残そうかなぁと思いますので、よろしければ覗いて下さい。
自分を見ない兄を永遠に手に入れた、と彼が手を前にして達成感に満ちた瞬間、ものすごいカタルシスを感じました。
自分を見ない、芸術家、理想の兄であり義兄は、死ぬ瞬間までそうであった、と確信した弟は禍々しさとエロチックを感じました。
からの!
兄の世界に、兄の中に引きずられオチで
二人とも互いにこだわりがあったーー!!バンザイ!
とガッツポーズしました。求めてた水の奥にある世界をもたらしたからか、それとも絵の完成を喜んでくれたからか、お兄ちゃんが何で弟を求めたのか、想像してニヤニヤしております。
作者からの返信
感想と御評価ありがとうございます。
一方通行感の強いブロマンスですが、最後の瞬間、語り部が彼なりに満足できたように感じて頂けたなら幸いです!