第3話 閑話『ルール説明』

 ――条件を規定し、限定する。だから、今の俺はお前より強い 『さむらい


   +++


 おおっと、では、ちょっとここで本大会のルール説明を行う。

 このハルクはアームレスリングと謳っているが、実際はただの腕相撲でしかない。

 違い?

 いやいや、正規のアームレスリングはルールが非常に厳しいんだぜ。

 これは喧嘩のなんでもありと格闘技のなんでもありバリトゥードくらいの違いがある。

 ま、ただ分かりやすく決着がつくように考えられたってだけのものだ。

 だから、これが正規だなんて勘違いしないようにな?

 どこぞの『女王』サマに怒られちまうぞ。


 一、時間制限はなし。決着まで誰にも止めることはできない。

 二、勝ちの定義は相手の手の甲を教卓につける。負けについてはその逆とする。

 三、右左のどちらの手で勝負しても構わないが、両手の使用は不可。

 四、逆手についてはグーにして教卓の上に置く。教卓を掴むことは禁止。

 五、勝負している手については肘がついた状態でなければ認められない。故意に浮かすことは禁止。

 六、禁止事項を積極的に実行した場合、反則負けとする。


 ま、こんな程度だ。

 それに今並べたルールも絶対ってわけじゃない。

 心理戦というか、大山康晴ばりの盤外戦術も駆使されたりする。

 いや、あんなに露骨ではないし、もちろん、そこには勝利への誠実さが必須だけどね。


 つまり、本人たちが納得して、観客が納得すればどうでもいい。

 これがルール外のルールにして唯一の不文律。

 だって、お祭りなんだからな。

 楽しめなければ、嘘だろう?

 さぁ、みんなもせっかくなんだ。

 楽しんでいってくれ!

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