第5話 お前が勇者か!?

「あ、あなたはレオ王子!? なぜここに!?」

 

 ローズは俺の顔を見て驚いている。


 まあそれはそうだろう、こんな所に王子がいるなんて普通思わないからな。

 

 だが今はそんな場合ではない。


 オークが今にもローズを襲おうとしてるのだ。


 俺は急いでオークに向かって炎魔法を放つ。

 

《インフェルノ》

 

 俺が放った魔法はオークに直撃する。


 その威力により、オークの体が燃え始めた。


 そしてそのまま燃え尽きて灰になる。


 それを見たローズと兵士は口をあんぐりと開けている。


 俺はローズに声をかけると我に帰ったのか、慌てて俺に礼を言ってくる。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ローズ王女、大丈夫ですか?」

 

「は、はい」

 

 ローズは俺の手を取り立ち上がると、少し顔を赤くしながら俺に話しかけてくる。


「兵を連れて領内の視察をしていたのですが、オークに襲われてしまいました」

 

「ご無事で良かったです、お怪我はありませんか?」

 

 俺はローズに怪我がないかを確認する。

 

「だ、大丈夫です」

 

「ではここを出ましょう。後でネイバミー王国の兵と合流を」

 

「はい」

 

 俺と護衛達はローズを連れて森から出ようとする。


 だがその時、俺の探知魔法に反応があった。

 

「ガァァァァ!」

 

「な、何だ!?」

 

 俺が探知をした先には巨大なオークがいた。


 そのオークは普通のオークの2倍大きい。


 どうやら先程のオークよりも強い個体らしいな。


 俺はすぐさま魔法を放つ準備をしようとしたその時。

 

「そのオークは私が倒します!」

 

 突然森の茂みから赤髪の少女が現れる。


 旅人の格好をしており、鞘には剣が入っている。


 その少女は剣を抜き、オークに向かって駆け出す。

 

「はぁぁぁ!」

 

 少女は剣を振るいオークの足を斬りつけた。

 

 だがその傷は少ししかついていなかった。


 どうやらこのオークはかなり強い個体らしいな。


 そして少女は再び剣を振るが、今度は避けられてしまう。

 

「く……っ」

 

 少女は悔しそうな表情をするが、諦めるつもりはないみたいだ。


 オークと一定の距離を保ちながら隙を伺っているように見える。

 

「俺も手伝おう」

 

 さっき俺が倒したオークよりも強い個体だ。


 きっと彼女一人じゃ厳しいだろう。


 だからこの少女に手を貸すことにする。


 俺は手を前に出しながら魔法を唱える。

 

「《雷竜》!!」

 

 俺の掌から雷の竜が出現する。


 その竜はオークに向かって飛んでいくと、そのまま体に巻き付いた。

 

「ギャッ!?」

 

 オークの体に電流が流れ、悲鳴をあげる。


 そしてそのまま痺れて動けなくなっていた。

 

「今だ! トドメを!」

 

「援護ありがとうございます!」


 すると少女は剣を強く握りしめてオークに向かって走り出す。


 そして剣を振りかぶりながら叫ぶ。

 

「《炎斬》!!」

 

 少女は剣を振り下ろし、炎を纏った斬撃を放つ。


 その斬撃は見事命中し、オークの体を真っ二つにした。


 そしてそのままオークは倒れ、絶命する。

 

「見事な剣技だ」

 

「いえいえ、私よりもあなたの魔法の方が見事でしたよ」

 

 俺と少女は拳を合わせると笑いあった。


 するとそこにローズが近づいてくる。

 

「お二人とも本当にありがとうございます!」

 

「気にしないでください、ローズ王女」

 

「お、王女!?」

 

 赤髪の少女は驚いた顔で俺のほうを見る。

 

「あ、あの失礼ですが貴方は?」

 

「ああ、俺はマキシ王国のレオ王子だ」

 

「こ、これは失礼致しました! 私はアリス・シェリアと申します。旅をしています」

 

 待て待て待て、今アリス・シェリアって言わなかったか?


 確かアリスはこのゲームの主人公の一人だ。


 勇者という立場であり、最終的には魔王を討伐して世界を平和に導く存在だ。


 まさかこんな所で出会うなんて。



―――



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悪役王子に転生した俺〜死滅フラグを回避する為に古代魔法をマスターします〜もしかして俺、勇者より強くなってる? @Soraran226

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