第2話 俺の古代魔法


 俺は古代魔法を実践してみるために、ある人物に声をかける事にした。


 その人物とは幼馴染である少女マリー・パウルだ。


 パウルは近衛騎士団所属であり、僅か17歳で第二騎士隊隊長を任されている天才だ。


 だがその性格はとても優しく穏やかで、騎士団の癒しとなっているとまで言われている。


 だがしかしそんなマリーが戦場に出れば鬼神の如き強さを見せるのである。


 そんなマリーに俺は声をかけた。

 

「私に何か用なのアトソ?」

 

「ああ、俺とガチンコで戦ってくれないか?」

 

 俺はマリーと模擬戦をするために声をかけた。


 この魔法が本当に使えるのかを試したいのだ。

 

 だが俺の言葉を聞いたマリーは少し困った顔をしていた。

 

「じょ、冗談はやめなさいよ~アトソ?」

 

「いや、冗談なんかじゃない、俺はマジで言ってる」

 

 俺は真剣だ。


 実践で使わないとどのくらい強くなったか分からないからな。

 

 そしてしばらくするとマリーは渋々了承してくれた。


 そして俺たちは訓練所に移り、お互い向き合う。

 

「途中で危険を感じたら止めるからね」

 

 マリーは剣を構える。


 するとマリーの髪の毛が逆立ち始めた。


 マリーの体からオーラが出ているのがわかる。

 

 俺も魔法を発動する準備を整える。


 俺はまず炎魔法の初歩的な魔法を唱える。

 

《エイシャント フレイム》

 

 俺が魔法を唱えると右手から炎の球が出て来た。


 俺はその炎の球をマリーに向けて撃ち込む。

 

「あら? ただのファイアボールじゃない。この魔法じゃ私は倒せないわよ」

 

「ただのファイアボールだと思うなよ」

 

 俺は火の玉を動かし、マリーに向かって放つ。

 

「な!? 何で動くのよ!?」

 

 俺の火球は物凄いスピードで飛んでいき、パウルに直撃した。


 本来のファイアボールは直線的なので避けられてしまうが、これはかなりアレンジを利かせているので避けることは出来ない。

 

「な、なかなかやるわね」

 

 だがマリーの服は燃えてはいなかった。


 一応防御魔法はかけてるみたいだ。

 

 そして俺は次の魔法を唱える。


 今度は炎魔法の応用だ。

 

《絶炎竜》

 

 俺が魔法を唱えると、右手から巨大な炎が出てくる。

 

 そしてその炎は俺の前で重なりあい、徐々に形を成型していく。


 そして出来上がったのは大きな竜だ。

 

 この竜は古代の魔法だ。


 昔の賢者しか使えない究極の魔法の一つ、その名も《絶炎竜》だ。

 

 火炎の吐息でどんな強大な敵でも燃やし尽くすことができる。


 マリーは俺の自信作を見て目を丸くして驚いていたが、すぐさま切り掛かって来た。

 

「ハァァァァ!」

 

「俺の竜を止められるかな?」

 

 俺はニヤリと笑う。


 そして《絶炎竜》とマリーが衝突した。

 

 それから1時間ほど戦った後、俺が優勢で終わった。


 だがマリーの強さはかなりのもので俺ではまだまだ敵わないと思う。

 

「ア、アトソ? どこでそんな強さを手に入れたの?」

 

 マリーは息を切らしながら俺を見てくる。


 まさか俺がここまで強いとは思って無かったのだろう。


 俺は魔法書を読み、研究に研究を重ねた結果、この力を手に入れたのだ。

 

「魔法書を研究して手に入れたんだよ」

 

「ふ、ふーん、アトソも意外と努力家なのね」


「お前ほどでは無いがな」

 

 マリーは嬉しそうな顔をしていた。


 マリーは俺の成長を1番に喜んでくれる人だ。


 俺もマリーの喜ぶ顔を見れて嬉しかった。

 

 そして数日後、俺はマリーと模擬戦をした事により、さらに魔法が強くなった。

 

「これぐらい強くなれば自分の身も守れるだろうし、王国も守れるかな?」

 

 この古代魔法を使いこなす事が王国の危機を救う事が出来る。


 そうすれば俺は勇者に討伐されることも無いし、大丈夫だろう。


 俺は王国の中でも三本の指に入る魔力を持つ人間だ。


 負けないさ。


 この時の俺はそう思っていたんだが、事態は思わぬ方向に進んで行ったのである。



―――



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