3 多くの人が知らない事実だ。広く知らしめなければ!

 カクヨムに登録して二週間。


 初めて書いた自分の創作論がどれほど読まれるのか、まったく予想をしておりませんでした。


「(一話完結で投稿したので)新着に表示されたのを見たわずかな人が本文の内容を読んでくれたあと、埋もれていくのだろうな」


 わずかな人 → 予想よりはるかに多くの人に読まれることとなる

 本文の内容 → 無用な混乱を引き起こす誤情報


 そんなことは露知らず。


「この情報はきっと役に立つから、少しでも多くの書き手に読んでもらいたいなあ」


 

  

  五月十九日。


 カクヨムトップページ右上に、見慣れぬものがある。

 ベルのマークに赤い丸が付いている。


 “エピソードに応援”の通知であった。


 前日書いた創作論をチェックすると、PVが付いています。

 正確な数字は覚えておりませんが、その時点で小説のPVの数倍……いえ、十倍以上であったかもしれません。


 この日から、通知に赤丸が付くようになり、その頻度は増していきます。

 まだ応援コメントは受け付けていませんでした。


「思ったより読んでもらったなあ。よかったよかった」




  五月二十日。


 PVは増え続ける。

 「小説がトップページに表示されない」という誤情報が、トップページの「注目の作品」に表示される。


 この日の夜に書いた近況ノートより引用。

「なんとなく書いた一回きりの創作論が小説よりもはるかに反応がよく、複雑な気分でした」


 ここでたぶん初めて、「初心者ユーザーである私の情報であるのだから、不正確なものが含まれていてもおかしくない」と思い及んだのでしょう。

 本文に以下の追記をします。


―――

※ この問題について何かご指摘がございましたら、コメントください。追記・修正します。

―――


 私はこの日からコメントを受け付け始めました。

 PV、エピソードの応援、★が増える中、さっそく「それは知らなかった」といった応援コメントをいただきます。


「ああ、これは調べてよかった。書いてよかった」




  五月二十一日。


 不正確な情報は拡散を続ける。

 コメントも入る。 「知りませんでした」「ありがとうございます」と。

 

 今までやはり、書きためた下書きを公開していた方からの、「ショックを受けた」とのコメントもありました。

 また、「自分も表示されなかった」というコメントもありました。

 それで私は「やっぱり!」と思ったのでしょう。

 本文にまた追記します。


―――


※ ご存じない方、 それで投稿してしまう方が少なくないよう見受けられます。

 残念な思いをする書き手さんを減らすため、この創作論を目に付く所に残しておきたいです。よろしければフォロー、★などをお願いします。

 運営様に要望を送れば、公開時にこのシステムについての説明が出るようにしてもらえたりするのかなあ。


―――


 ……蹴り倒したい。

 誤情報のさらなる拡散を促す私。


「これは多くの人が知らない事実だ。広く知らしめなければ!」


 このような使命感にも似た心持ちでした。

 あれ? それって……。


 私は以前、「情報リテラシー云々以前に、誤情報の発信にも受信にも関わることはないだろう」と思っておりました。「自分は大丈夫だ」と。

 けれども、たまたまそれまではそうだった。それだけのことのようです。


 勝手に解釈した情報ですが、事実も含まれている。それは強化されながら、「知ってもらったほうがいいのかな」「知ってもらいたい」「知らせなければ!」と暴走していきました。


 この日までは。




  五月二十二日。


 創作論を読んでくださった方から、情報をいただきました。

 その方が運営様へお問い合わせくださり、その返信とご自身で検証いただいた結果です。


 【最新の下書きではなくても、一度も公開していないエピソードであれば、トップページの「新着小説」に表示される】


 ……え? どういうこと?


 私も自分で検証してみます。


 前日までの三日間、公開済み最新エピソードの次話は、いったんそのあとに書きためてある全ての下書きの最新部分に移動してから公開、それから元の位置に戻す、という方法で公開していました。


 この日は次話の下書きをそのまま、すなわち“新着に表示されないはずの方法”で公開します。

 そしてトップページを確認。


 投稿した小説は「新着小説」の欄に、載っています。


 ……え? どういうこと?


 続きます。

 

  


 




 


 

 

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