第3話 歯車が崩れる
「雪村くん、ちょっと」
めずらしく上司に呼ばれたと思ったら、悪い知らせだった。
もうすぐこの会社は倒産するらしい。
それに伴い、人事部がクビにする人を選んでいると言った。
「雪村くん、すまない。君は今日でこの会社をクビになる」
突然の解雇通知だった。
キノが来てからはじめての悪いことが起きた。
俺は頭が真っ白なまま荷物をまとめ、いつのまにか家に着いていた。
俺はキノの「早いですね、何かあったんですか?」という言葉に耳を貸すことなく、荒々しく唇を奪った。
キノの唾液と俺の唾液が混ざり合う。
本当は行為に及ぼうなんて気はさらさら無かった。
ただ逃げたかった、必要にされてると思いたかった。
キノは慣らしてもいないが俺を受け入れてくれた。
俺が涙をこぼしながらキノへ、キノに対してではないなんとも言えない感情をぶつけると、キノは優しく俺の涙を拭った。
「私にならなんでもしていいですからね」
俺は欲望のままキノにぶつかった。
早く私を殺してくださいよ 🌿言ノ葉🌿 @kotonoha0720
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