第25話 大ハプニングです?


 最悪だ。本当に本当に俺はなんてドジを...。


 「......」


 決して酔っていたわけでもないのに情けなさすぎる。


 昨日の元カノとの衝撃の再会後、店を抜け出して駅へと向かう俺は、悪い癖ではあるが、色々とまた考えすぎてしまっていたのだろう。


 完全に上の空になってしまっていた...。


 ちゃんともう整理をつけたつもりだったのに、あらためて本当に情けない。


 さすがにここまでのドジをしてしまうことは今まではなかったのだが、結果として俺はあろうことか今、病院の一室でぼーっと天井を眺めているところ...。


 そう。まさかこんなことになってしまうとは思いもしなかったのだが、めちゃくちゃダサくてしょうものない理由で、俺は今、とある病院でをしているのだ。


 全然、自分的にはたいしたことはないのだが、足のの入院。今日が木曜日だから日曜日まで入院だ...。


 本当に他の人を巻き込んだりしなくて良かったとは思うが、歩道を歩いている途中、側溝の蓋に躓いて...まさかのこの状況。ダサすぎる...。


 そして、今はちょうど朝の9時。


 さっき会社にも連絡を済ませて、今日と明日はまあ休めることになったが、それよりも...。



 完全にこれ、。無理だな...。絶対無理だな。



 予約とかもしてくれたのであろうに、本当に申し訳ないが、これはもう仕方がない...。


 お昼にでも、約束のあったちゃんとさんには、それぞれ事情を説明して断りの連絡を入れておこうと思う。物理的に無理だ。

 倉科も本当に申し訳ない...。


 とりあえず、今日明日の仕事のお願い事については、木村にさっきlineで連絡したところだし、この4日の入院生活で必要なもの等も、あのバカ木村にこの病院まで持ってこさせることにした。


 いつも俺に死ぬほど迷惑をかけているあいつだ、今回ぐらいは俺があいつをしっかりとこき使ってやる。これに関しては何の罪悪感もないし、二つ返事で強引にオッケーをさせた。


 と言うか、まあ、あいつは昨日、 亜梨紗桃月と仲良くなれたとかで、はしゃいで気分がよくなっているのか、基本的に何を頼んでも簡単にオッケーをしてきた...。


 まあ、俺としては本当に亜梨紗のことはどうでもいい。もう二度と会うこともないし、変に色々とまた彼女のことを考えてしまっていて、こんなことになってしまった...。

 だから、彼女のことを思い出したり、あれこれ考えたりするのも真剣にこれで終わりだ。と言うか終わらせなければならないことを今回のことで身をもって実感した。


 「......」


 でも、俺。本当に先週から今週にかけて、想像もつかないまさかの出来事の連続だったよな...。


 ちょっと色々とありすぎて、今でも整理しきれていない自分がいる。


 ただ、そうか。結果としては4連休か。


 テレワークも今回はもうしなくていいみたいだし、こんなに穏やかな平日はいつぶりだろう。


 もう、この4日間は本気でぼーっとしてやろうと思う。と言うか、ぼーっとしようとしなくても、この状況では、ぼーっとする以外の選択肢はないのだがな。


 とにかく、存分にゆっくりと平穏な時間を過ごさせてもらう。


 でも、そうか。退院しても、月曜日から一週間ぐらいは松葉杖なのか...。


 理由が理由なだけに、恥ずかしすぎるな...。


 まあ、もう何でもいいけどな。


 って、そうだ。


 暇つぶしに木村にあれも買ってこさせよう。


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