第37話 一本目完成

「大成功だ!!」


1000回以上製作し、やっと1本レジェンド武器が完成する。

ほんとエグイ確率だ。

無限増殖でも無けりゃ、強化用も含めて11本分同じ武器を用意するとかマジ無理ゲーもいい所である。


因みに、大型ボスドロップの中には低確率ながら武器を強化するアイテムがあり、そっちを使って強化するのがゲーム内では一般的だ。


個数制のアイテムなので、一つ手に入れられれば俺なら使い放題ではあるのだが……流石に今の俺じゃ大型ボスを倒すのは厳しく、仮にできても命懸けの激戦になるから選択肢にはない。


武器の強化に命なんかかけたくないし。


『おいしそー!ちょーだいちょーだい!』


完成した武器をくれと、バグリンが可愛らしく頭(?)を俺に擦り付けておねだりして来る。


「悪い。ちょっと我慢してくれ」


短剣のレジェンド武器は2種類ある。

そして俺はその2種類供を鍛えるつもりだった。


ただ、大成功時に完成する武器はどちらかを選べない為、完成品の数に偏りがでる可能性が捨てきれない。

なので、偏りで無駄に多くできた方をバグリンに食わせる事に決めている。

その方が無駄が少ないから。


なので、バグリンには暫く我慢して貰わないといけない。


『えー』


「失敗作食っていいから。ほら、これだっておいしいだろ?」


失敗作というのは、当然SSSランクの短剣の事だ。

他の人間が聞いたら目を剥きそうな言葉だが、フル強化レジェンド武器を2セット作るまでに腐る程余るのは目に見ているので、俺からしたらゴミに等しい。


「いらないか?」


『うー、たべるぅ』


バグリンが、しぶしぶと言った感じにSSSランクの短剣に食いつく。

ちょっと前までは美味い美味いと食ってたのに、ドンドン贅沢になってくな。

まったく困った物である。


「さて、じゃあ製作続行だ」


聖女印のエリクサーのお陰で、現在はほぼノンストップで製作が出来る。

普通のは1時間ぐらい再使用時間あるのだが、これはたった3分で使えるからな。

チートもいい所である。


そして徹夜で製作する事二日――エリクサーには疲労回復効果もある為、睡眠も不要。

最初の一本目が完成する。


『うわー、すっごくおしいそう。たべていい?』


「だめ」


言いわけねぇ。

苦労が水の泡になっちまうわ。


『えー』


「まあ我慢してくれ。次からはこれと同じのが出来たら、それを食わせてやるからさ」


『ほんとー?』


「ああ、本当だ」


12本目以降はもはやゴミだからな。

いくらでも食わせてやるさ。

そしてもりもりレベルアップしてくれたまえ。


因みに完成したのは光の刃という短剣だ。

99まではこの武器で行く事になる。


で、99になるとあるイベントが解放されので、そのイベントを熟す事で最大強化したレジェンド武器を進化させられる様になり、そこでやっと俺の最強武器が完成する訳だ。


「よし、じゃあ続きだ」


俺はレジェンド武器製作を続ける。

バグリンのレベルがカンストし、もう一本の武器が完成するまで。

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