第30話 SSSランク装備製作

「よし!SSSランク装備制作だ!!」


『せいさくだー』


イベントでスキルを手に入れた俺は、残り二つの素材もサクッと狩りで入手する。


まあサクッとはいっても、手に入れるのには数日掛かった訳だが……


基本ボスドロップで手に入れる様な物を、雑魚の落とす低確率で手に入れているのだからしょうがない。


鍛冶台に素材を置く。

当然だが、素材は全部増殖済みである。


「とう!」


『とーう』


俺は掛け声とともに、槌をその上に振り下ろした。

結果は――まあ失敗である。


うんまあ、仕方ないよな。

成功率かなり低いし。


現在俺の器用と幸運は補正込みでそれぞれ113と95である。

なので基本値は32.1。

それに補正の0.2をかけた数字――


レベル×0.05に1を足した数字が超越級装備製作の補正。

そのレベルの最大値は5だが、俺はレベル3までしかとらないのでその補正値は0.2となる。


――約6.4%が、SSSランク製作の成功率となる。


スキルは最大まで取らないのか?


取らない。

何故なら、他のスキルにポイントを回したいからだ。


まあ俺は素材が無限だからな。

なので成功率は多少低くても問題ないのさ。

上位スキルもないから、前提としてマックスにする必要もないし。


じゃあレベル1でいいじゃんとか思うかもしれないが、そこはほら、あんまり失敗率が高いとストレスが溜まってしまうだろ?

なので他のスキルをレベル10にしつつ――スキルポイントは全部で98なので、どこかで2ポイント削らないといけない――最低限の成功率を確保したって訳である。


「出来ぬなら、出来るまで作ろうホトトギス!」


『ほととぎすー』


偉人の句を弄り、それっぽく言ってみる。

特に意味はない。


俺は素材を置いては失敗をガンガン繰り返す。

だが痛くも痒くもない。

鍛冶台が駄目になったら新しい物を出し、偶に休憩を挟みつつさらに製作を続ける。


あ、因みに、残り二つの素材入手の際にMP回復アイテムも手に入れているので、頻繁にベッドで休む必要はなくなっていたりする。

まあ再使用時間の都合で、全くノンストップと言う訳ではないが。


「おし!出来た!!」


100回目にして、遂にSSSランクの短剣が完成した。

完全に確立を下回っているが、まあ確率なんてそんな物である。

繰り返し作って行けば、まあその内収束していくだろう。


『わー、すっごくおいしそー』


「たべていいぞ」


『わーい』


記念すべき一本目ではあるが、俺の目指す最終到達点はレジェンド+装備だ。

一々感慨にふける程でもないので、速攻でバグリンの胃袋送りにする。


『おいしー!』


バグリンが満足げに体をプルプル震わせながら短剣を消化していく。


うんうん、ジャンジャン食べてがんがんレベルアップしてくれよ。

とにかく、こいつが89になってくれない事にはレジェンドチャレンジもままならないからな。


現在の幸運は補正も含めて95であるため、大成功は発生しない。

これは別にステータスポイントが足りないからこそで止まっている訳ではなく、あえて95で止めていた。

何故なら、バグリンが89まで上がれば補正が増えて99になるからだ。


幸運は戦闘ステータスとしてはどうしても弱めだからな。

振らずにケチれるのなら、削りまくりたいというのが本音である。


因みにバグリンのレベル99の補正を基準にステ振りしてないのは、そもそも大成功なしでは90以上に出来ないからだ。


「よっしゃ!じゃあ作りまくるぞ!」


『わーい!』


俺は無限の手札を武器に、低確率の製作を狂った様に行う。

無限増殖バグ万歳!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る