第8話 絶望の果て
彼女の家族の安全のため、その後も付き合っているというていで僕たちはこの関係を続けた。以前鈴木に逆らって家族が病院送りにされたという噂を聴いたことがあるので彼女を責める気にはなれなかった。でも大切な人から裏切られた僕の心は限界をむかえていた。
「おい、最近大丈夫か、何かあったらすぐ言うんだぞ?」
青山が声をかけてきた。もうその言葉は僕の耳のなかにはとどいていなかった。
「大丈夫だ」
ただひとこといってその場を離れた。僕にはまだ前田と青山がいる。でももし、二人も鈴木に命令されて僕と仲良くしていたら、そう考えただけで、もう全てがどうでも良くなった。僕は家に一人で帰った。家族に相談して転校しようと思った。僕は絶望した。家に帰ろうとすると、燃えている家を見つけた。僕の家だった。今日は両親に転校の話をしようと思って仕事を休んでもらっていた。背中に寒気が走った。
「父さん、母さん」
僕は必死に叫んだ。すぐに救急車のサイレン音がなった。母さんと父さんを殺した、鈴木は絶対に殺すそれだけは僕が死ぬまでにしなければならないと思った。
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