第7話 裏切り
一宮さんは僕が見舞いに行った次の日から登校してきた。もう体調は良さそうだ、僕が安心していると、久しぶりに鈴木が声をかけてきた。
「おい、木城ちょっとこい」
鈴木にそう呼ばれて僕は困惑した。学校の中では青山もいるし、話しかけてこないと思っていたからだ。
「お前一宮と付き合ってるんだってなぁ、それ俺が嘘告させたんだ。おかしいと思わなかったか、一宮とわかれたあとすぐに俺にいじめられてることに」
僕は鈴木の言葉を信じることはなかった。だって、そう仕向けるために一宮さんの家の近くで鈴木が待ち伏せていた、そうに違いないとこの時まで信じていた。
「ごめんね、木城くん、鈴木くんから話し聞いたよね」
一宮さんが泣きながら帰り道、僕に謝ってきた。
「何の話?」
僕はとぼけた。彼女の顔をみることもできなかった。
「鈴木くんから言われたんだ。君と付き合わないと家族に危害をあたえるぞって」
鈴木は僕と彼女が1年の頃からおんなじクラスだったから彼女なら僕がつられると思ったのだろう。僕は限界を超えた。
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