第6話 風邪

「改めて言うね、付き合ってください」

一宮さんが照れながらいった。僕はもちろん頷いた。7月になりもうすぐ夏休みだ。今年は友達もそして彼女もいる。夏休みが待ち遠しい、それに鈴木のやつも夏休みにはなにもしてこない、そう思っていた。

「今日も、一宮は休みか」

先生が心配そうに言った。一宮さんは最近休みが増えていった。心配になったので見舞いに行くことにした。青山は彼女がいるので女子の見舞いには行きにくいようで、前田と僕の二人で行くことになった。なぜなら一宮さんには女友達がいなかった。一宮さんは明るいタイプではないので僕はこの時、特に深く考えていなかった。それよりも早く見舞いにいって元気か確認したかった。急いで一宮さんの家にむかった。

「ごめんね、心配かけて」

いつもの一宮さんだった。3日も連続で休んでいるので心配していたが熱も今はなくただの風邪らしい。

「無理はしないでね、何かあったらいつでもいってね」

彼女の無事が確認できて安心した。前田もほっとしたような顔をしていた。誰かこんなに優しい男の彼女になってはくれないだろうかそう僕は思った。

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