第5話 忘れていた日常
一宮さんと、友達として交際することになって、2人で帰ることもふえた。今でもなぜ僕なのか疑問に思うときもあるが、女子と一緒に帰るのも悪くないとただこのひとときを楽しんでいた。
「じゃあ、また明日」
彼女の家は僕の家の帰り道にあるので、彼女の家まで、送っていた。
「おい、木城じゃねぇか」
僕の嫌いな奴の声がした。学校では前田や青山と一緒にいるのでいじめにくくなっていたが、鈴木は学校の外で会うと以前のように僕に突っかかってくる。
「なぁ、最近調子乗ってんじゃねぇか」
そう言うと鈴木は僕を路地裏に連れていって何度も殴ってきた。久しぶりに殴られた。忘れていた日常、これが以前の僕の普通だった。それから、おさまっていたいじめは徐々にエスカレートしていき、学校内でなにもしてこないかわりに学校の外で鈴木は仲間を連れて僕に暴力を振るった。前田と青山、そして一宮さん、家族には心配をかけたくなかった。別に前も耐えれてたんだ。学校でされないだけで充分じゃないか。自分にそう言い聞かせて僕の心は限界をむかえていた。
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