第2話 変化

青山が学校に来てから2週間がたった。案の定青山はクラスでの人気も高く、女子からもう既に何人かに告白されたらしい。青山は自らクラスの人と親しくするタイプではないのだが、席がとなりになって、お世話係になったおかげか、始めは頑なに僕と話さなかったが、僕と青山かなり気が合うようで、初めてクラスに友達と呼べる人物ができたのでとても嬉しかった。それをいじめの主犯格である鈴木は決して面白く思わなかった。

「おい、木城さ、青山となに親しげにしてんだよ。お前とはどう考えてもつりあってないって」

鈴木に言われずとも自分が一番分かっていた。

「何?つりあってないって、それお前が決めることなの?」

「なんだ、青山いたのかよ」

鈴木が慌てたようにいった。たしかに鈴木はクラスを恐怖でまとめあげて誰も逆らえない。青山みたいに素で人望があるのとはわけが違う。鈴木でさえ、学校にきて2週間の青山にはかなわないのかと思うと嬉しかった。

「さっきは、ありがとう」

「友達を助けるのは当たり前だろ」

青山は照れながらそういった。

「青山、お前本当変わったよな」

そう言うと青山は苦しそうに笑った。この時はまだ青山の気持ちを理解してあげることはできていなかった。

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