僕のユートピア
バーゼル問題
第1話 転校生
「おい、おせぇんだよ早く買ってこいよ」クラスメイトの鈴木の声がクラスに響きわたる。
僕はいつも人の顔をうかがって生きてきた。そのざまがこれだ。
「ごめん、今から買いに言ってくる」そう言って売店に急いだ。
今日は疲れた。またこき使われて、これからあと2年間ずっといじめられるのかと思うと悔しさと自分の無力さに腹が立った。もうこんな生活いやだ。楽になれないかなぁ。この僕、木城綾芽は中学までは友達もいて普通の生活を過ごしてきた。しかし高校に入ったあとある事件をきっかけにいじめられることとなる。
しかし、そんな日常はある日終わりをつげる。
学校にいくと、クラスのやつらが話している声が聞こえた。
「今日転校生来るらしいぜ、可愛いといいな」
「まだ女子か、わからないだろ、男かもしれないぞ」
どんなやつだろうと思っていると、先生が来た。
「今日からお前たちと一緒に過ごす青山雅人だ。みんな仲良くしてやるように」
「よろしく」
青山は愛想もなくただ一言いった。顔立ちが良く、異性からの人気も高そうな、なんとも、羨ましいやつめ。
「そうだな、席は木城の横が空いてるな」
「僕ですか?」
「学校のこともしっかり教えてやれよ」
僕は正直かなり面倒に思った。何より青山と僕がいると、クラスのやつらは面白く思はないだろう。
「よろしくね、青山君、何か分からないことあったらなんでも聞いていいからね」
「青山でいい、木城、俺と仲良くしない方がいい」
青山の第一印象は最悪だった。
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