第32話 取引
「まぁ、外との取引が無かったってとこで多めに見積って……ベストが金貨1枚と銀貨750枚、ベルトが銀貨250枚合わせて金貨3枚かな。あ、銀貨は1000枚で金貨1枚、銅貨は100枚で銀貨1枚な」
「さ、3年分の年収?」
「まぁ、そんなにお高く?」
「実際問題、ちょっと皮に傷があるから安く買い叩きたいところではあるがな!けど、初めての取引でそれは酷だしな。俺も鬼じゃねぇ」
やっぱり実用性重視だと多少の傷は無視しちゃうからのう。
ブラックタールサラマンダーの皮は高級品らしいので傷があるとそこまで売れないそうな。
そりゃ1着年収ならみんな傷なしの方がいいからのう。
今後取引するのであればその辺注意せんとな。
みなに伝えておこう。
「物々交換であっても泥パック以外もドンと置いていこう。薬品、日用雑貨、武具も何でも見て言ってくれ。最近、こういう衣服関係は西側の国々に多くてなー。仕入れに行くだけでも1年ぐらいかかって大変だったんだ。仲良くさせてくれよ」
「なんと!それはありがたいですわい」
「えぇ。今後とのご贔屓にー。服とかも見てみたいです」
「おう!ジャンジャン見ていってくれよな……さて、問題は……ブルーフレアバッファローのズボン、か」
エクチルさんが青色のズボンを眺める。
ブルーフレアバッファローのズボンは儂の自信作。
見た目はジーパンです。
正確にはジーパンのパチモン。
伸縮性あるし、多少の傷は気にしなくていいし。
何よりダメージが入ると味が出る。
向こうの世界でもよく履いておったからな。
これだけは再現したい!と衣装屋に無理言って作ってもらったんじゃもん。
実際の生地はまだ再現出来とらんというか、そこまでの熱量が維持出来なかったというか……
もう少し頑張ればよかったなーと後悔しておったりする。
「……これ、ジーパン?っていうやつだろ?また、こいつは……とんでもないもんを……」
「ほう!ジーパンもあるんですかな?やはり転生者は作るんですかのう」
「あらー。お爺さんが力を入れて作っていたから異世界転生物でよくある初めて見た系になるかと思ったんですけどね」
「あるにはあるが……伝説のアーティファクトだ」
「「アーティファクト??」」
ジーパンが伝説のアーティファクトって……
そんな事あるんか?!
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