第21話 フランさん達も合流!

「……まさか甘味を感じながら酔い醒ましが出来るとは」

「んダナ。実家でもこんな良い酔い醒ましは無いんダナ!あの薬師、凄腕なんダナ」

「……元気よすぎますわ。私、まだ残ってますの。声は控えめでお願いしますわ」

「まぁ、キリアは飲めないのに飲んでたからな。無理するなよ。お、センタロー様、昨日ぶりです」

「「「おはようございます!!!」」」


儂に気づいたアンカーさんが手を振る。

それにつられて他の3人も儂に頭を下げる。

……小っ恥ずかしいからやめて欲しいのう。

勇者らしいことはしとらんからな、儂。

といか、酔いは大丈夫なのかの?

薬が効き過ぎた?

いつもより頭がスッキリする?

なら良かったわい。

無理はしなさんなよー。


4人も揃ったので今日やることのおさらい。

今日は薬の材料になるパープルスライムの倒し方講座。

本来パープルスライムは村の若手が教えるんじゃが、今日は出払っているそう。

元々スライム系は綺麗に倒すのが難しいから教えれるものも少ない。

それこそ薬師のミロロが教えれば良いが、調薬で忙しいからのう。

とりあえず歩きながら話すとしよう。




「さて、まずはテストじゃな!ケミー、パープルスライムが生息する場所は?」

「はい!川から離れているけど湿り気がある土……沼や池の水草が多く生えている場所!特に木々が腐っていると尚良!」

「その通り。次はカルロ、パープルスライムの特徴は何かな?」

「はい。パープルスライムはスライム系の中で特に毒性が強いです。理由は主食が毒キノコだから?」

「うむ。ほぼ正解じゃな。スライム系は雑食。パープルスライムはキノコが生えているところに生息することが多いのはもちろん、キノコを誤って食べたモンスターを捕食するからじゃのう」


パープルスライムがよく食べるキノコ、名前を『ヴェノムカーネージ』と言う。

毒性が強いのはもちろんだが、繁殖期になると食べたモンスターを体内から使役し生息範囲を広げる。

使役されているモンスターは痛みを感じなくなり好戦的になるため全身血まみれになっている。

これ、本当に対応がめんどくさいんじゃよー……

火炙りにするとキノコの胞子が拡散し被害が広がるし、切り刻んでもそこからぽんぽん生えてくるし。

厄介この上ない。


「パープルスライムはヴェノムカーネージを無効化できる体液を持っている。ファイ、パープルスライムの倒し方の流れは?」

「んー……まず、マスクをつけてキノコを集めておく。スライムを見つけたらコアを狙ってマジックアロー。ダメージが与えられたらキノコをなげつけて食べるのを待つ。食べ始めたらコアを引き抜く?」

「うむ、オーソドックスな倒し方じゃな。スライム系は捕食中が1番倒しやすい。捕食液を出しているから身体の強度が弱まるからのう。だが、パープルスライムは一筋縄ではいかない。その辺は理解しておるじゃろ?」


儂がそう言うと3人とも頷く。

スライムはそもそも弱い。

弱いと言っても体が柔らかいから近づいて手を突っ込んでコアを採取できるだけで、戦闘面はとても強い。

魔法を使いこなすレッドスライムやブルースライム。

自分の体液を捕食させ、危険が迫るとモンスター達を使役するブレインスライムなどなど。

パープルスライムは毒キノコを食べている性質上体液全てが毒。

溶ける系の毒じゃないから専用の手袋を付ければ問題は無いが手を入れた時に毒液を周り一帯にぶちまけるので要注意。

これをどうにかしないと服が解けてしまうからのう。

エロ同人みたいに!




…………毎回若手に説明する時にポカンとされてしまうなー。

フランさん達も伝わってなさそうじゃのう……

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