第20話 いざ出発!
「さて、飯も食べたし。婆さん、ちょっとパープルスライムを倒してくるわい」
「お気をつけて。そういえば、フランさん達も同行したいそうですよ?先程寝るために家に行かれてましたけど、話したら後から参加したいと」
「なんと!フランさん達が?身体をしっかり休めて欲しいがのう」
フランさん達は昨日遅くまで村の仲間たちと飲んでいたそうだ。
それもそうじゃ、村始まって初めての外の人じゃしな。
宴会は日の出が登る前まで続いたそうで、さっき頭を押さえながらフランさんが宿代わりに貸している家に帰ったそうな。
婆さん、朝から息子たちを魔法で運んでたそうな。
五男のゴールは酒屋をやってたからのう……
六男のロックと七女のナナセ、八女のヤエコはしこたま飲むし。
……フランさん、ドンマイじゃ。
「ふふっ、そこは二日酔いの薬を渡しましたから。森に酔ったまま入るのは自殺行為ですし、お爺さんの手間を取らせる訳にはいきませんから。寝て起きてから行かれるのかと。討伐が終わるぐらいには来られるんじゃないですか?」
「……なるほどのう。ではゆっくり倒すとしよう……しかし婆さん、あの薬を渡したのか?……あの苦さは夢にまで出てくるからのう……」
「けど、目も醒めるし一石二鳥ってやつですよ。探索者たるもの薬が苦くて飲めない、とはいきませんから」
「わぁ……学生時代を思い出すのう……解毒薬飲みたくないからって毒無効のスキルを取ろうとした阿呆がいたのう……」
「えぇ……今では村長になって、子どもを24人も作り、老後は道を作り始めましたけどね」
「……やめなさい」
……グリグリ傷をエグるのは良くない。
あの頃のギルド支給解毒薬はゲロみたいな味だったし、そこまで効き目良くなかったからのう。
毒ダメージで三途の川が見えた時は本当に焦った。
あの時はゲロ吐きながら飲み干したんだよなー。
絶対毒を吐き出して解毒するタイプだってあれ。
結局田島君の手助けで解毒魔法を覚えてそこから毒は怖くなくなったんだよな。
懐かしい記憶ですな。
……あ、口調が若い頃になったな。
「それじゃ、忘れ物がないか再チェックじゃぞ?武器と回復薬、討伐したアイテムを入れるカゴは必ず持つように」
「はーい」
「あの4人ってそこそこ強い人達ですよねー。家出る時にパパが言ってましたけど」
「んにゃ……カゴいっぱいに取る」
「……カルロ、そこそことか言うんじゃない。普通に強い方々じゃよ。世界は広いからのう」
……この村を基準にしている孫たちは多分世間からズレとる。
その辺も外部化は新しい空気を入れてリフレッシュしないといかんのう。
パープルスライムの倒し方を教えたら早く道を作りに行かねばな!
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