第9話 異世界人ですじゃ!(キメ顔)

「……で、センタロー様?貴方は何者ですの?明らかに魔力の質が違いますわ?わたくし、コレでも魔法学校主席で卒業してまして少々魔力感度には自信がありましてよ?」

「ほう!魔力が感じられるんですかのう!うちの村にはその辺詳しいものがおらんので分からんかったですのう!儂は異世界人、別の世界から来た者ですじゃ。信じてくれるかはあなた方次第ですがのう?」


キリアさんの質問にキメ顔で答える。


……ふっ、決まった。


言ってみたかったんだよねーこのセリフ。

異世界人ってバレたら言おうと思ってた。

ネスさんたち村の人には普通に説明したけどスルーされたんだよねー。

『わかってた』『納得した』『そりゃそうだ』って。

悲しかったなー……

せっかく色々準備したのに。


……あれ?

思ったより反応がない?

もしかして信用されてない?


「……あ、あれ?反応が薄い?やっぱり異世界人って信用ないですかのう」

「え、いや。その」

「異世界人ならあの強さも納得ダナー。正直異世界人はそこまで珍しくは無いんダナ。キクスイさんみたいに強い老人は初めて会ったんダナー」

「あ、そうなのか」

「ダナ。異世界人は無茶をすることが多いんダナ。皆優しい人が多いからすぐ無茶をするんダナ」

「確か最近だと遠方のサツミドー皇国に現れたって話があったな。けどシーサーペントと一騎打ちになって相打ちしたとか」

「それこそ我が国とラセ帝国との戦争は異世界人が多数、戦場で散ったと聞いてますわ。50年前の戦争……両軍合わせて数十万人が犠牲となった戦争ですわね」


キリアさん曰くその戦争は数カ国を巻き込んでの大戦だったそうで、異世界人と思われる特別な力を持っていたりすげー強い人達も多数参加していたらしい。

たった1年の戦争で犠牲者数十万人、この大陸の2割の人間が無くなったそう。

そこから50年、両国は和平を結び他の国々と協力し復興に務めたそう。

やっと復興が落ち着いてきて戦時中の資料を確認出来るようになった事でこの森に開拓使団が送られていたことが判明したらしい。

平和な世の中になったのであれば上々……

まだ戦争中だったらどうしようかと思ってたよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る