第7話 脳天唐竹割り
『へー!中々やるじゃん。人間としては上々じゃね?知らんけど』
クロが感嘆の声を上げる。
今は上空、オークたちの村の上にいます。
この村、うちの村よりは小さいけど200匹ぐらいオークがいるんだよね。
うちの村にちょっかいかけないからスルーはしてたけどそろそろ潰そうかと話してはいた。
パーティは4人、今1人掴まれたから急ぎ助けないと!
「よし、さっさと助けるぞ。クロ、かずは!お前は村の中にいるヤツらを、俺はオークキングをやる。クロと和葉は村のオーク共を頼むぞ」
『へいへい……ってセンタローが俺呼び?ま?ガチやん。ヒューヒュー!イッケメーン』
「私の名前を呼ぶなんて……最近なんて結婚記念日にお手製の腕輪作ってくれた時以来ですね。いつでも呼んでくれていいのに……ふふっ」
「茶化すな茶化すな!恥ずかしいんじゃい!もう70超えたら二人ともジジババじゃしな!それじゃ行ってくるぞい!クロ、程々に殲滅しろよ」
俺はクロの背中から飛び降りて斧を構える。
『……普通の人はドラゴンの背から飛び降りないと思うなーボク』
「まぁ、私たちの同級生に同じようなことを平然とやる人がいたから。『一撃必殺ならこれが1番だから』って教えてもらったのよ」
『何それ。化け物過ぎない?そいつの頭大丈夫そ?』
「うーん、大丈夫だったかは分からないけど彼女思いのいい人だったわよー。普通にワイバーンとかキマイラ倒して食べてたし」
……アイツはまぁ、とんでもない規格外のバケモンだったから。
漫研の親友だったけど何でEランクだったのか未だに分からない奴だったけど。
ってそんなことを思ってる暇は無い!
気を取り直して、自由落下中に魔法を発動。
メキメキと筋肉が音を上げて膨らんでいく。
攻撃力アップのバフを加えて、さらに手に持った斧に魔力を注入。
斧全体が赤く妖艶に輝く。
この斧は昔、アダマンタイトで自作した長年一緒の相棒だ。
返しをつけた事で形は変わったけど俺の魔力によって威力を調整できる。
全力で振ると山ですら切れる……はず。
試したことないけど。
そして追加でスキル発動!
このスキル、対象の頭以上に武器がないと使えない使いづらいことこの上ないけど、威力は抜群なんだ。
まだ日本にいた頃、ゴブリン相手によく使ったっけ。
「……『脳天唐竹割り』」
ドゴッ!!!
何かを砕く音がしたと思ったら地面に斧が刺さっていた。
スキル『脳天唐竹割り』
あらゆる攻撃で対象を頭から一刀両断出来るスキル。
さっき説明した通り対象の頭以上の場所に武器がないと使えないし、武器の攻撃力に依存するから転生前でも不遇とも言われてたよねー。
これ、名前も攻撃方法もかっこよくて気に入ってたんだけどなー。
それはともかく、オークキングは一刀両断出来たので良し!
握られていた人も何とか一命は取り留めたようだね。
良かった良かった。
―――――――――
閲覧ありがとうございます!
口調が定まらないセンタロー……
もう諦めてきた!
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