第4話 道作り

「ほーれ!」


ゴンッ!


メキメキメキ……ドーン!!!


「ふぅ、一本切り倒すにしてもなかなか時間がかかるのう。スキルを使えばイッパツなんじゃが、使ったら翌日ボキボキ腰に来るからのう……」


儂は切り倒した木の切り株に座り汗を拭く。

この森の木々はどれも太い。

前調べて見たけど土壌に栄養素はもちろん、魔力がたんまり入っているので植物の成長が早い。

何なら木に擬態して獲物を捕食するモンスターも存在しているので捕食したモンスターの残りが土中に取り込まれてさらに栄養が溜まっていくらしい。

村でも小麦や野菜がすぐ育つから食料問題が起きたことないのが救いじゃった。

冬でも白菜っぽい葉物野菜育つし。

おでんモドキは村のご馳走になったからのう。


「さーて、次は切り株を抜いてしまうか……よっこらせ!」


ブンッ!


ガッ!


ボッコッ!


儂は斧を目いっぱい切り株に突き立てた後引っこ抜く。

わざわざ返しをつけた特注の斧だからすぐに切り株が楽々と抜ける。

切り株の根、太すぎるからのう。

これだけで数トンあるんじゃない?

筋力、ドラゴン並みにあるから楽じゃわい。

……腰の強度、もう少し強めにして欲しかったがのう。

切り株を抜いたら次は魔法で整地。

地面をならし、踏み固め道を作る。

馬車が通ることを見越して地面は固めにする。

水捌けがいいように溝を掘ったりして水路を作るのを忘れずに。

……本当はレンガとか石畳にしたいんだけど素材運ぶのが大変だからね。

ギュッと固めてそれっぽい線を引くだけで妥協。

まぁ、産業革命とか起きとらんじゃろ。


多分。


「さてさて、こんなもんかのう。後街道までの距離は……フンっ!」


足に力を入れて思いっきりジャンプ!

上空に飛び立ち道の先を確認する。

この森は木の高さも高い。

全力ジャンプでギリギリ木の頂点を飛び越えられる。

目を凝らして先を見ると木々が少なくなっている場所が見えた。

見た目後10キロぐらい先かな?

道を作り始めておよそ2年、なかなか先か遠いのぅ……


「ふーむ……やはりスキルをバリバリ使う方に切り替えるか?今のペースなら後数……む?」


儂の周りが突然暗くなる。

空を見ると真っ黒い影が。

……あ、これは。


「グルァァァァ!!!」


真っ黒な鱗に覆われたドラゴンがそこにいた。


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