第14話 浅井家に対する恨みは根強く‥‥‥

 昔々、近江国の小谷城で京極高次は誕生した。


 高次よりだいぶ前の京極家は、室町幕府で四職を務めるなど強大な勢力を誇った大大名だった。


 しかし、京極高吉の代に没落して臣下であった浅井氏の下克上を受け神輿として取り込まれてしまう。


 そして、浅井亮政の代には、浅井家が京極家の家名を利用するため、京極家当主一家を小谷城にて生活をさせていた。


 そのため、高次は小谷城で誕生できたのである。



 1570年、8歳となった京極高次は、勢力を拡大する織田信長の人質となり、岐阜城に送られてしまう。


 「これも‥‥‥京極家のため‥‥‥織田信長の人質になるのもやむをえない」


 京極高次は自分の人生を受け入れ、家のために、信長の人質となったのであった。


 そして、そのまま岐阜城にて生活し、元服して、信長に仕えたという。


 

「元服できたぞ。これで私も大人になれた。これからは私が京極家を盛り立てていいくぞ」


 高次は元服し、京極家再興のために邁進していくことになる。


 そして、高次は信長の家臣として各地を転戦したという。しかし、お家再興と共に浅井家に対する恨みも強かった。


 何故なら、京極家は浅井家に下剋上をされ、領主としての地位を奪われた経緯があるため、浅井家に対する恨みは強かったという。


 「信長様、どうか、浅井長政が立てこもる小谷城をさらに攻めて立ててください」


 高次は、信長に対して小谷城攻めをもっと攻めるように発言したという。


 「お主の気持ちは痛いほどわかっている。お前の思いを成就するためにも必ずや小谷城を攻略しようぞ。それゆえ、落ち着け」


 高次は長政に対する恨みが根強かったため、少し控えよといったらしい。


 だが、その後高次の思いが叶ったのか、信長が苛烈に攻めたことにより、小谷城は落城したのである。


 城主であった長政は落城の時に切腹した。これで高次の思いは成就したのである。


 だが、この時、長政の娘である浅井三姉妹は信長が引き取ることにしたのである。


 高次はこの当時、浅井三姉妹に対してよい思いを抱いていなかったという。


 しかし、後によく思っていなかった、姪であるお初と結婚するのであるから人生どうなるかわからないもの。


 ともかくこうして浅井家は滅んだ。



 一方、京極高次は信長の配下としてさらに各地を転戦した。


 1973年には、槇島城攻めの功を評価されて、蒲生郡奥島5千国を与えられている。


 「各地を転戦し、槇島城攻めでようやく評価していただき石高をいただいた。浅井家も滅び、残るは京極家を再興するのみ。そのためにも、さらに活躍せねば」


 高次は、残る願いであるお家再興のために、さらに邁進していったという。 



 やがて、出世していった高次は、ある一大事件の首謀者に加担することになる。

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