第15話 魔物との戦闘
第一章
魔物との戦闘
「待て。この先に魔物がいるぞ。エル自分で気配を探ってみろ。出来なくても良いがやってみろ。」
「わかりました…!守りはお願いします!」
父に周辺の注意を任せて俺は気配を探ることに集中する。しかし、全くうんともすんともしない。
魔物は魔力を発していると言っていたな。魔力感知の範囲を広げてみるか。どうやる?
ぐぅー!と力を入れて伸ばしてみる感覚をしてみるが全くと言って良いほど伸びていかない。
そもそも魔力感知は俺の体内だけに限った話だった。どうやって魔力を感知している?
体内の魔力に意識を向ける。自分の魔力が魔力を探っている感覚がある…気がする。
体内へと向けていた魔力を薄く広く伸ばす感じで周囲にも伸ばしていく。
そうすると300m程だろうか左前方に3匹の魔力を感じた。
「左前方300mに3体の魔力を確認しました!」
「お!よく分かったな!俺は大まかな方向と距離しかわからないがエルは正確だな!よし!いくぞ!」
父は俺が準備をできたのを確認したのちスピードをあげて突っ込む。俺もそれに負けじと父のコースを辿るように走り抜ける。
魔力探知を切らないようにしながら残り100mほどに近づく。向こうもこちらに気づいたようで身体の向きをこちらに変えて少し散開しているのがわかる。
「父様!相手もこちらに気付きました!」
「分かった!俺が前に出るからエルは後方から見ていろ!」
「はい!魔法は撃っても良いですか!」
「俺に当てないようにさえ気をつければ好きにすれば良い!」
そう言っているうちに接敵した。敵はウルフのようなものだ。
「こいつは群でいる事が多いグレーウルフだ!噛みつきと飛びかかりに注意しろ!」
俺に敵の情報を教えながら1匹を切り捨てて次のウルフに向かって行っている。
俺も遅れを取らないように魔法を使う。周りへの影響を与えないように土属性のストーンバレットを選択した。
避けられないように左右へ散らしながら放つ。
「やるじゃないか!エル!」
父がもう1匹を片付けてこちらを見ていた。
俺が放ったストーンバレットはしっかりとグレーウルフの眉間を貫いていた。
「よし!それじゃあ魔石の取り方を教えよう。大体の魔物は胸に魔石を持っている。だから短剣で抉り出してやるんだ。
魔物の中には食べられる物も多いからキッチリと解体する時に出してしまった方が売る時に価値が上がるぞ。」
父の解説を聞きながらグレーウルフの心臓あたりから魔石を取り出す。
血がベッタリと着いて嫌な感触だし、鉄分の匂いがして気持ちが悪い…と言うことは無かった。
日頃から解体の現場を見たり手伝っていたおかげで特に抵抗感なくできた。
「こいつらは穴に埋めておくか?どうせ掘り返されるだろうがな。」
「食べないのでしたら穴に入れて燃やしておきましょう。草や木が無ければ特に問題ないでしょう。」
俺は土魔法を使って穴を掘るとでた土で少し縁周りに壁のようなものを作ってその穴の中に死体を放り捨てた。
そして火魔法で燃やしておく。
「よし、この調子でどんどんといこう。魔石はエルが倒した分はエルが持っておけ。後で売り飛ばすなり、記念に取って置くなり好きにするといい。」
「はい!ありがとうございます!」
俺はこっそりと召喚しておいた魔杖に魔石を食わしていたのでその言葉は願ったり叶ったりだった。
父が死体を燃え尽きるまで観察している裏で俺はステータスを確認する。
スキル
ユニーク 心装顕現 lv1 (2/600)
ツリー表記
心装顕現→魔剣顕現lv1(1/100)
→魔槍顕現lv1(1/100)
→魔斧顕現lv1(1/100)
→魔盾顕現lv1(1/100)
→魔弓顕現lv1(1/100)
→魔杖顕現lv1(2/100)
よし!しっかりと杖に経験値が入っている!この調子でガンガンいこう!
「エルー。死体が燃え尽きたから土を被せておいた。次に向かうとしようか。」
父が壁を壊して死体を入れた穴に土を被せていた。
「あ、それなら少し待ってもらっても良いですか?
広範囲の魔力を探れるようになったので一度それを使ってから回りませんか?」
「ほう?そんな器用な事ができるようになったのか。分かった。お前に任せるとしよう。」
父に再度警戒をお願いしながら俺は自分の周囲1キロを探知するつもりで一気に魔力の波動を送った。
その波に対して反応してぶつかった魔力の位置から大体の敵を把握する。
「右前方800mに大きな魔力が1つ、左前方450mに多分ウルフが5、左700mにウルフよりも大きい魔力が1つ、右600mに6匹のウルフよりも小さな魔力があります。」
「よし、右側からぐるっと回って魔物を倒していくとしよう。いいか?」
「はい!次にいきましょう!」
少し距離が離れていることもあって歩きながら進んでいく。
「次はエルの魔法で先制してから俺が切り込むとしようか。できるか?」
「はい!そちらの方がありがたいです!」
「よし、じゃあ早速頼むとするか。」
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