第80話 古竜を舎弟に
兵士達に実戦訓練を施してる。
「てやぁあああああああああああああああああああ!」
トイプちゃんがハイミスリル剣で古竜相手に斬りかかる。
『ふぎぃいい!』
古竜は泣きながらトイプちゃんの攻撃を回避した。
が、その先に待っているのはワンタ君。
両腕にガントレットをはめたワンタ君が、古竜の土手っ腹に一撃を食らわす。
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
『げぼらぁ……!』
古竜は白目をむいてその場に倒れ伏す。
気絶……否。
「す、すげえ……あの二人だけで、古竜やっつけちまった……」
バーマンが唖然としていた。それはそうだろう。
ついこないだまで、二人はまだまだ戦力とは言いがたい存在だった。
しかし今二人は、タッグを組んで、古竜を倒せるくらいにまで成長を見せたのだ。
確かに強さで言えばバーマンには及ばない。カノジョは単独で古竜を倒せる。
けど、成長スピードで言えばあの二人のほうが、バーマンより上だ。
「…………」
バーマンの顔に緊張が走ってる。後ろから追い上げてくるあの二人の存在が、バーマンにさらなるモチベーションを与えてるのがわかった。
いい訓練だったな。
さて。
私は倒れている古竜の体に触れて、白色闘気を流す。
『かはっ! はぁ……はぁ……はぁ……』
「お疲れ様でした古竜さん」
古竜さんには長い時間、訓練に付き合ってもらっていた。
「もう帰っても大丈夫ですよ。ありがとうございました」
すると……ばっ! と古竜さんが私の前にひれ伏す。
『どうか、自分を配下にしてください! お願いします! 副王様!!!!!!!』
おや、おや。これはどういうことだろうか……?
「帰っていいんですよ?」
『いえ! ぜひ、ここに置かせてください!』
「その心は?」
『あなたたち……というか、あなたに怯えながら生きるのが嫌になりました。なら、あなたの配下になったほうがいいと思ったのです!』
ふーむ……別に私は襲ってこない限り、こちらから殺すようなまねはしないのだが。
まあ、古竜が一匹いるだけで、防衛力はあがるだろうし。
「いいですよ」
『ありがとうございます!!!!!!!』
ひれ伏す古竜をみて、ワンタ君がつぶやく。
「古竜を配下にしちゃうなんて……やっぱ副王様すげーっす!」
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