第5話クラフト高校

教会ではとりあえず適当に、後ろから三番目くらいの場所に座り、校長の話が始まるのを待つ


短く白いひげと、長髪の白髪の、教会の服を着こなした、貴族のような男性が内陣へと上がる


話しの流れ的に、彼がこの高校の校長なのだろう、きっと素晴らしいく、短い話をしてくれるのだろう


「どうも、このクラフト高校校長、リスト・コネクトです。」


「まずは、入学おめでとう、我が校に入学できた諸君らには、輝かしい未来を約束しよう」


「無事卒業できたならね」


その言葉を、優しいほほえみを浮かべながら放った


「我が校からは、毎年多くの優秀な生徒が排出されると同時に、毎年多くの退学者も出ている」


「それはなぜか、理由は簡単、入学できたことに満足し、胡坐をかくものや、自らの地位に甘えるものが多いからじゃ」


「我が校の生徒、教師の間で起きたことに対して、法は適応されません」


「殺人が起きようと、窃盗が起きようと、いじめが起きようと、法も国も一切関与しません」


「法を作りたいなら自分たちで作ればいい、裁判をしたいなら裁判所でも作ればいい、加害者がにくいなら殺せばいい」


「ただそれだけ、自由で、平等、そして不公平な学校、全てが実力のみで決まる、そう、このルールすらも、君らが帰る権利を持っている」


「我が校の枠を出ない限りね」


そう、一切の表情を変えずにその事実を述べ終わった後、ゆっくりと続けた


「もしそれが嫌なら、教会を出て荷物をまとめ、学校から去りなさい、自由に退学できるのは今日までだ、あとからでは間に合わんかもしれんぞ」


その後一泊置いて


「それでは諸君、改めて入学おめでとう、また一か月後、会えることを楽しみにしているよ」


そういって内陣から降り、椅子に座る


そのあとは、食堂が無料とかの特典の話や、先輩が勝手に作ったここのルールブックや、裁判所とかのあまり面白くない話が続き、最後の主席挨拶まできた


内陣へ上がるのは、黄金の髪をなびかせ、赤い瞳で教会内を見渡す、モデルのようなすらっとした体型に、貴族のような衣装をまとう女生徒だった


「この座が欲しいなら、全力で取りに来なさい、できるものならね、入学生代表、アメジ・アレキサンドライト」


それだけ言って内陣からおりた


さすが、このネオプロトス帝国一の貴族、アレキサンドライト家の最高傑作と呼ばれる女性だ


とりあえず第一目標は分かった、あとは、取るだけだ


そう思いながら、終了の合図と同時に立ち上がり、ロラと一緒に教会を出て自室へ戻った

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