第2話

プラニュモス・ヴァルハラー、辺境伯家子息。

母親は俺が一才の時に、病気で亡くなった。父は母を溺愛していたらしく、ショックで暫くの間、寝込んでいた。その間、俺は父の親友であるプロピオ伯爵に預けられていた。夫婦共に仲が良かったらしい。


一応、父は2年で立ち直った。預けていた間も、伯爵家に俺の顔を見に来ることが度々あった。その度に、父の膝に座らされていたような気がする。


2年間、伯爵家で過ごした後は、辺境伯家に戻り、定期的に伯爵家へ遊びに行かせてもらっていた。父は戦場に出向き、小規模の戦争に参加する。そのため、10歳まで長期間、伯爵家に預けられることがあった。

グラジオラスとはよく遊んだし、スターチアが生まれたときは抱っこをさせてもらった。ふわふわとして、温かくて、守らなければいけないのだと思った。


11歳からは、実家で貴族として必要なことを、辺境伯家の当主になるために不可欠なことを本格的に学び始めた。

13歳からは、貴族として、国立学園へ入学しなければならなかった。

こうして、必然的に伯爵家へ顔を出す回数は減った。

それでも、手紙でのやりとりはしているし、長期休暇の際は、何泊かさせてもらっている。


スターチアとも良好な関係だと、少なくとも、俺はそう思っていた。

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