第13話 ボッチ最終目的地に到着する
集落の疫病騒ぎは終焉したので当初の最終目的地に向かって出発した。
商業都市セルエット.王都に次ぐ人口70万人の大都市だ。ここハイドランジア王国の王都は人口110万人。
セルエットには東西南北4つの街道の合流点で各地方の産物が集まる。俺達が出発したアネモネイトからも物資が運ばれて
各地方の名産品を仕入れてアネモネイトに帰るのだが、今回はサンダーライガー・デザースターの討伐報告と買取依頼、盗賊討伐の報告と死体の引き渡しの為に王都の冒険者ギルド本部に行くことになる。その後商業ギルド本部においてクラフトギルドの技術者を集めて、リヤカーと井戸用ポンプの設置と見本品を引き渡す予定だという。冒険者パーテイーとは冒険者ギルドでお別れだ。
しかし、アネモネイトへの帰路の護衛に募集に応じる気持ちを強くアピールしている。
おそらくは帰りも同じメンバーになるだろう。
今日の夜は王都の宿屋で、宿泊することになりそうなので、夕食のかわりに昼飯を提供することにした。冷たい魔法水が好評だったので、それに合う料理と言ったらそうカレーでしょう。なのでロリッっ娘3人組用に甘口、少年達と辛いのが苦手な人の為に中辛を辛いのがすきな人に辛口を用意した。ライスだけ用意する。パンは今回はお預けだ。
スㇷ゚ーンを皆に渡して試食用の皿から掬って、自分の好きな辛さを選んで貰う。
この世界の人達は辛いのが好きらしい。全員が中辛か、辛口を選んでいた。
と思ったら、ロリッ子3人組は大人ぶりたかっただけのようだ。途中でヒーハー言って水を飲みカレーの方は手が止まっていた。
「我慢しないで残していいぞ。後で俺が食うから。甘口に交換するぞ」
「はーい。お願いします。うふふ、うちの唾液が混じったカレーをカズオが口にする。これって間接キス……?」
「シノブ、心の声が駄々洩れよ」
シュイ―が注意する。言いつつ残した皿を差し出して来る。
「ああ、そうかあ、あたしも舐めて貰おう」
ユミリまでおかしなことを呟いている。言っておくが俺はロリコンじゃないからな。
リラさんはというともっと辛いのが食べたいと言うので特別に大辛を作ってやった。
美味しそうにバクバク食べている。普通の人の8人分を一人で食べきった。
「わたしの為にだけ特別に作ってくれた愛情カレーライス。凄く美味しかった。このお礼は後でね」
言葉の最後にハートマークが見えた気がしたが
(気のせい気のせい)無視を決め込む。
昼前にはセルエットの街に着いた。
待を囲む壁が途轍もなく長く左右に伸びている。大都市なのがひと目で判る。
街に入った一行は街の中心部に向かって進む。
中心部には商業ギルドと冒険者ギルドが有る。
商人さん達は本来の目的である商業活動に勤しむ。
「此処から王都までは約1時間半。王都までの護衛を追加任務として、王都からアネモネイトの街への護衛を改めてお願いします。王都の冒険者ギルド本部にて再契約手続きをするということでよろしいですかな?【紅の翼】の皆さん、【獅子の咆哮】の皆さん」
「助かります」と【紅の翼】【獅子の咆哮】は1も2も無く了承した。
「それで結構です。ですがカズオは帰りは護衛任務はしないのですかな?」
と言ったのはリラさんだ。
「いえいえ、カズオさんには王都で国王陛下に謁見して頂かなければなりません。厄災のモンスターの討伐の件を報告しなければいけないですし。その後どの様な御沙汰が下されるのか今のところ不明です。王都で井戸のポンプ設置やリヤカー開発のサポートを依頼されるかも知れないですし、はたまた、美味しい料理の王宮
料理人へのレシピ伝授を依頼されるかも知れないですし……」
「確かにカズオには面倒事が着いてまわりそうだからな」
「どうでもいいけど帰りもカズオの美味しい料理が食べれるように、祈っておきましょう」
「「「「「そうだそうだ」」」」」
さて今後どんな出来事が起きるのか、どちらにしても良い旅の想い出になってくれればいいのだが……。
俺達は王都へと馬車を進めた。
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