第3話 入部先はバレー部

実を言うと、その子--岡村氷咲雨(おかむらひさめ)--と私--﨑口香(さきぐちかおり)--は、初めは全然仲良くなかった。というか、私は嫌われてたと思うし、私自身も怖がってた。


氷咲雨さんと私は、中学生の時バレーボール部に入っていた。

スポーツ万能なひさめさんと違い、私は運動音痴だった。

バレーは小4の時に触れたけど、試合中はほとんどボールを触っていなかったから、未経験と同レベ。

それに、バスケとかサッカーも皆さんの外側を何となく走って、能力じゃなくて意欲で通信簿良くしようとしてるだけの奴だった。



高校生になったら運動部と勉強とを両立するのは厳しいだろうから、中学生のうちに体力つけとこうと思って、何かしら運動部に入ろうとしてた。


仮入は、吹部・日本文化部茶道班・バドミントン部、それとバレー部に行った。

文化部も行ってみたけどやっぱり運動部に入りたくて、バドかバレーか悩んだ。


決定打は先輩の優しさだった。(入部してみたら、私みたいな下手な子は邪魔そうにされたけどね…)



入部したのは、

仮入の時から仲の良かった、児島由実(こじまゆみ)と椎名杏(しいなあん)、

入部してちょっとしたら仲良くなった武中夢乃(たけなかゆめの)、

隣のクラスの笹倉紗奈(ささくらさな)と角田有紀(すみだゆき)、

そしてひさめさんと私の合計7人。


1学年でチームを組めるから、バレー部としてはなかなかに良い人数だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る