第16話 boy meets girl
担任の松岡だ。」
転校初日ということで、職員室に入ると令和の時代には珍しい熱血漢な担任に迎えられる。
そしてあれよあれよという間に教室ヘ連行され、当たり障りない転校の挨拶を終えた。
転校生ということもあり、最初はわちゃわちゃとしていたが、すぐにみんな僕から離れていった。
おっぱいの素晴らしさやその他エロスについて熱弁したのが悪かったらしい。
そんなこんなで、転校初日から渾名が『変態』になった僕はひとり寂しく1日を終えた。
まあいいや。僕のマイサン的センサーで同居するエロエロな師匠以上な存在はいないわけだし…
少しだけ泣いた。
そんな転校初日を終えた翌日、土曜日ということもあり、毎日午後起きなヴェネーラさん同様に昼まで眠る自堕落な休日を過ごしていた僕。
この汚部屋では寝転がるスペースは限られているので、寝返りさえ打てないのだが、素敵な枕(人はそれをブラジャーとパンティーと言う)に幸せ心地で眠れるのだ。
そんな僕の幸せなひと時は、突如として崩壊した。
ガシャーン!!バリーン!!
という衝突音と共に部屋の中に響くガラスの割れる音。
「ギャーッ!!」
飛び散るガラスの破片が襲い掛かり悲鳴を上げる僕の上に箒と共に女の子が凄い勢いで落ちて来た。
ガラス片の上をもつれ込むように2人で転がり、壁にぶつかり止まる。
ゴミの山がクッションにならなければ死んでたんじゃないか?そんな勢いだった。
ゴミも役立つことあるんだね。
瀕死に近い状態で床に横たわる僕は頭を右に向けた。
「痛か…」
大惨事を巻き起こした張本人は血まみれで僕の右隣で倒れ、そう弱々しく声を漏らしていた。
漆黒といえる程の真っ黒なロングヘアーに血の滲む謎のキャラクターのTシャツに黒いジャージのズボン。
血まみれでなければ、かなりの美少女がそこにいた。
「魔女…」
そんな美少女を見て僕は弱々しく呟いた。
「男…」
対する美少女もそう弱々しく返し…
「…男?…なんで男がおっと!?」
死んでもおかしくないダメージを負っている筈なのに、元気に立ち上がり、僕に杖を向けた。
タフすぎやしませんか?
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