7 リオーネの登録用紙

 こちら『リオーネの登録用紙』でございます。


 え――、自主的に規制を入れましたので、自主規制でございます。

 登録用紙がまるで、殺人現場の遺留品のごとく、登場しております。

 とても生々しいケッコンとなりました。

 ちなみに、古より「結婚生活は血痕生活のはじまりでもある」と云われております。既婚者の皆様は棺桶に入るまで油断なさらぬよう。

 そして、婚活中の皆様は、覚悟をもって挑まれることをオススメいたします。


 ゴホン。ゴホン。


 失礼いたしました……なにかと制約の多いこの世の中、残念ながらケッコンはマイルドな状態での公開となりました。


――――


「きゃー! ち、血が! 血がっ! めっちゃでてるにゃ! リオーネくん、ゆ、指は大丈夫かにゃ! ちゃんとついてるよねにゃ! リオーネくん、ち、血はそんにゃ、にゃ、に必要ないにゃん!」


 銀のナイフがぐっさりとリオーネの指に突き刺さり、そこから血がぼたぼたと落ちていた。

 真っ赤になった登録用紙を見て、青ざめた顔で「血が! 血が!」と、パニックをおこすペルナ。

 助けを呼ぼうにも、受付嬢で出勤しているのは自分ひとりである。

 全く予想していなかった展開に唖然としているフィリアに変わり、真っ先に行動をおこしたのは、『赤い鳥』の中で最年長にあたるフロルであった。


――――(『生贄奴隷の成り上がり〜堕ちた神に捧げられる運命は職業上書きで回避します〜』本編より)



「お兄さま、この異世界カタログの商品ページもいよいよ7ページ目に突入しましてよ!」

「そうか。これが……記念すべき、ラッキーセブンの商品なのだな」

「ラッキーというからには、ご利益がありそうな、縁起がよろしい商品だといいですわね。わたくしたちの会話も、いつもよりも長めにしませんか?」

「なぜだ?」

「お兄さま、ドクシャサービスですわよ。物語りではなく、カタログを御覧頂いている皆様に、ささやかな贈り物ですわ! ハートのお礼ですのよ!」

「そうなのか? とりあえず、長く、会話をしたらよいのだな?」

「そうです! このページをわたくしとお兄さまで、ジャックするのです!」

「よくわからぬが……ん? なんだ、この商品写真は? ボヤケてよく見えないぞ。ピンボケかな?」

「ふふふん。お兄さま、これは、フィルターカッコウのモザイクシロアリというものですわ!」

「イトコ殿、それを言うのなら、フィルター加工のモザイク仕上げでしょう。正確には、Photoshopのフィルター機能にある、ピクセレート内のモザイクを使用したことによる結果です。文字はレイヤーのレイヤースタイルを使って境界線で外側に白の……」

「ううう……っ。お兄さまの意地悪!」

「なっ! イトコ殿! 泣いていては会話が続きませんよ!」



〈イラスト掲載先・近況ノートに飛びます〉

https://kakuyomu.jp/users/morikurenorikure/news/16818023212212734709



〈この作品は……〉

3-22.血を一滴

https://kakuyomu.jp/works/16817330666712685959/episodes/16817330669336069563

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