第9話「起・栄光の碑銘」
カンカンカン!
「誰もなし得たことの無い、前人未到の世界一周。それだけは確かにまだ無理じゃが。その街・エリアを最初にクリアしたチーム名が刻まれる。人々ははこう呼んだ……【
年季の入った爺さんは槌を叩きながら続ける。
「栄光の碑銘には表面上には〈ギルド名とプレイヤー名〉しか刻まれない。じゃが、このアイテム、【
そこには本来視れないはずの情報。そのギルドとプレイヤーが何を一番大事にしていたかの経歴が明かされ・刻まれている……。刻まれている情報は、〈ギルド名とプレイヤー名〉以外に、1番お気に入りの情報が各1件、〈種族・職業・武器・スキル〉の詳細なデータが刻まれる……。
「折角だ、その〈栄光の指輪〉をやろう。栄光の碑銘を探し出し、そして過去の偉人達の足跡を知るのじゃ。今まで攻略された街の合計数は六件! その目にしかと焼き付けるのじゃ!」
ギルド、スキルビルダーズにクエスト『栄光の碑銘』が受注された。そうしている内に、〈怒涛剣グラムボルト〉が完成した。
【
少し重い片手剣。荒れ狂う大波という意味を持つ雷を纏う嵐の剣。耐久値が高く壊れにくい。心氣を貯める総量が多く、沢山スキルを使っても壊れにくい特殊合金、守護神オーディン・ステラ・エイティーンから渡された、〈黒銀グラムのインゴット〉で出来ている。ビルドは主に右手に装備。
【
手に装備する指輪。〈栄光の碑銘〉の隠された情報を明かしてくれる指輪。栄光の碑銘はギルド【放課後クラブ】ギルド本部
「あぁ、やっぱ片手剣にしたんだ♀」
「何だよやっぱりって……まるで未来予知?」
「いや、あのサキってベテランプレイヤーがが二刀流だったじゃん? だからあんたも真似するのかなって思ってさ♀」
デストロイの言っていることは概ね正しい、だがビルドの真意は別にあった。
「実は俺、四刀流が夢なんだよな~」
「……はぁ!?」
「書物を読み漁って左右と前後を支配できる剣があれば良いなって。徹頭徹尾って奴さ。あと上下とか、戦闘中いちいち上下に体を移動させなくて済むだろ?」
まあやりたい夢はわかるのだが……。
「その割には剣があと3本足りないな♀」
「お爺ちゃん、タダで良い剣くれねえか?」
鍛冶場の爺ちゃんは話を聞いていたが、ビルドの意見を拒否する。
「悪いがこっちも商売なんでね、金が無いなら売れねえよ。代わりに要らなくなったゴミ剣、〈ナマクラの剣〉3本ならやるよ。処分する手間が省けらあ」
【ナマクラの剣】
軽い重さの片手剣。耐久値が低く、圧倒的な実力差がある剣士と戦うとすぐに折れてしまう代物。100円ショップのナイフ程度の硬さと品質だ。
《
〈
左右両手に2本剣を持ち、前後に心氣エネルギーを使って剣を浮遊させる高等なスキル。装備品が片手剣かそれ以下の軽い重量の剣でしか使用できない。
今のビルドでは剣を浮かせて、前方と後方にに剣の盾を形成させるのがやっとだろう。自由に剣を浮かせることすら出来ない。まあ攻撃出来なくても夢なんだから仕方ない、相手への
つまり、今のビルドは。右手に
「じゃあ次の目的地が決まったな、一回拠点に戻ってから行ってみようぜ。ギルド放課後クラブ本部に!」
〈第三休憩所、憩いの洞窟住居『スヤリ』、ビルド工房〉
というわけで、ビルドはクエストが発生した事を、サキとヒメに報告してからお願いをする。ずばり、そちらのギルドにお邪魔したいと。
「せっかくここまで来たのにまた戻るの?」
「ちょっとだけ! サキん家のギルド本部見せて!」
「……しょうがないなあ、ちょっとだけだよ? すぐ戻って来るからね?」
そういうわけで、ワープポイントまで行き、アシアー大陸までワープした。
◇◇◇
〈
街・エリアを最初にクリアしたチーム名が刻まれる。栄光の碑銘には表面上には〈ギルド名とプレイヤー名〉しか刻まれない。だが、あるアイテム、【
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