第8話「結・怒涛剣グラムボルト」
※心氣について※
この世界では、スキルを使用するためのエネルギーソースは【
心氣は体内で錬るもの、自然界に元々あるもの、様々だがMP・マジックポイントよりより難易度が高いものとして設定されている。心氣によりスキルは作られ、スキルを分解すると心氣エネルギーに戻る。
話を戻して……。ビルドとデストロイはオーディン・ステラ・エイティーンと戦っていた。で、結論は負けた。
「全力で相手してやろう! ……と思っていたのだが王からの命令でな、今は5%ほどの力しか出せないことを許してくれ!」
そう言って、銀鎧の男は剣を突き出した。
〈
「!? また知らないスキルだ! てか文化って何だ文化って!?」
文化という単語が胆略的・抽象的過ぎて解らない。だが、ナレーション機能が教えてくれた。
《解説。人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。衣食住をはじめ科学・技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など生活形成の様式と内容を含む》
「つまりただの物も食べるし、心のある成果物も喰らうってことか?♀」
「手で作ったものは何でも喰らえるって意味か……? だとしたらスキルは全部喰われるのか? ならユニークスキルなら!
鍵付きスキルを使うことも考えたが、業火の炎ならユニークだし前回みたいな〈取られる〉という心配もない。
ガキン! とビルドとオーディンの剣が打ち合った。
「つまらん剣だ、というかその誰が作ったか解らぬほど単調な作りの剣は何だ! ナマクラの剣でココまで登ってこれたというのか!」
おっしゃる通りでございます……。
「技術がいくら高かろうと、耐久値が無い剣では宝の持ち腐れだぞ!」
「ビルド! この! MAXデストロイ!♀」
「心喰!」
デストロイの全てを破壊するスキルは、心喰によって効果を全て喰われた。
「お前の心氣の味はサイダーのようだな、炭酸のように弾けて奇を
「こんのー! ガキ扱いしやがってー!♀」
と、その時。「そこまで!」とサキが審判を下す。あまり長く戦っても勝ち目も無いしその1撃で実力の寸法が図れたのだろう。これ以上は不毛だ。
「ふむ、……では休むといい。我も実力を示せと言ったが、勝てとは言っていない」
そして、オーディン・ステラ・エイティーンはビルドに助言をする。
「まずは剣を鍛え直せ。ナマクラの剣ではこの先すぐに折れるぞ……文字通りな」
初期装備のヨワヨワ耐久値で最前線まで来てしまったので。ビルドの〈ナマクラの剣〉は先の一撃で……、パキン! と、今折れてしまった……。
「あ、これじゃ戦えねえ……」
「む、すまぬな。剣を壊してしまった、代わりと言っては何だが。このインゴットで鍛え直して貰ってくれ」
そう言われて、ビルドは〈よくわからないインゴット〉を貰った。
〈第三休憩所、憩いの洞窟住居『スヤリ』、ビルド工房〉
誰も住んでいない部屋をビルド工房と名を付けて、ここを拠点とした。
「さて、やっと休憩出来た所だし。俺はスキルのビルドを……」
「その前に剣買いに行こうぜ♀ 今無手じゃん」
「……素手の時に出来るスキルも考えとくか……」
と、何を考えてもまずスキルスキルスキルと、スキルゲーを楽しんでいるオタク。
それはそれとして、目ぼしいを剣を武器屋で買わなければ、初期装備じゃキツすぎるのである。
「ちなみにサキっちのその豪華な両手剣の名前は?」
「……、
「わかってる、聞いてみただけさ」
サキの剣は、見るからに名刀という感じの剣だったので、どうしても聞きたかったのだ。好奇心というやつである。
「さーて俺の剣かー、探さないとなあ~」
そう言って、ビルドは自分の拠点地〈ビルド工房〉出て、街になる予定場所を散策するために1人で外に出歩き始めるのだった。
「俺の場合、スキルが強くてもそれに耐えられるだけの耐久値のある剣にしないといけないわけか……」
《返答。はい、ビルドの場合心氣を多く使い、尚且つそのスキルにレベルに耐えられるだけの耐久値が必要になります》
「ん~今の俺のスキルって、攻撃系より変化系だなあ~
というわけで名も知らぬ武器屋に来た。ビルドはおもむろに尋ねる。
「爺さん、ここにスキルに強い剣って売ってないか? 耐久値が高いの」
「おん? とにかく壊れにくい剣って事かい? 生憎壊れない武器なんてこの世には存在しないよ。まあ限りなくってなら出来るが、それなら何かしらの〈インゴット〉を持ってきてくれ」
おっちゃんは店のそこら辺に置いてあるインゴットを見せた。あ、そう言えばオーディンからインゴットを貰ったな。「おっちゃん、コレで何作れる?」と言った束の間。
「こ……! これは! 〈黒銀グラムのインゴット〉!? あぁ作れるぞ、コレなら〈
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