episode.14
ああ、何かしら?
遠くの方から、皆さまの声が聞こえるわ……。
えっ?キティ逃げて?
……変態降臨?
一体……何の事ですの?
「……ん、う〜ん……」
微睡みながらゆっくり目を開けると、知らないベッドの天蓋が見えて、私はぼーっとしながら、あれ?ここ、どこだろう?と考えた。
「あっ、良かった、キティ。
起きたんだね」
誰かに声を掛けられて、私はゆっくりそちらを見た。
「クラウス、様……私、一体……」
そこまで言って、私は全てを思い出し、ガバッと起き上がる。
「ク、ク、クラウス様っ⁉︎」
無意識に掛布で自分の胸を隠し、あらっ?と違和感を感じた。
朝から感じていた息苦しさが楽になってる?
あれ?私のコルセットはどこ?ドレスは?
そこで私は自分が寝やすそうな寝着に着替えさせられている事に気付き、サーっと青ざめた。
口をパクパクさせてクラウス様を見ると、クラウス様はにっこり笑って言った。
「ああ、それ?流石にドレスじゃ寝苦しそうだったからね。
着替えさせてもらったよ」
それだけ言って、再びに〜〜っこり笑う。
いや、あの、聞きたいのはそこでは無くて…。
私がプルプル震えていると、クラウス様は堪えきれないと言うように吹き出して、声を上げて笑い出した。
「アハハハハッ、キティ、そんな心配しなくても、もちろん着替えさせたのはうちのメイド達だから、安心してよ」
クラウス様の言葉に私はほっと胸を撫で下ろした。
「あの、大変なご迷惑を……今は何時くらいでしょうか?」
私の問いにクラウス様はチラッとナイトテーブルの上の時計を見た。
「16時過ぎたとこだよ」
私が王宮に参じたのが、昼過ぎ。
それから何やかんやあったとしても、3時間はぐーぐー寝てた事になる。
なんて事だっ!なんて日だっ!
私は慌ててベッドから降りようとして、何故かクラウス様に静止された。
クラウス様は微笑みながら、私をベッドに戻す。
「どうしたの?キティ。
どこに行こうって言うの」
優しく問われて、私はガタガタと震える。
瞳孔がっ、瞳孔が開いてらっしゃるっっっっ。
な、なんで?何か怒らせるような事した?私。
あっ!そうよ!【祝義の謁見】!
私が気絶なんかしちゃったから、予定が狂っちゃったんだわっ!
それでクラウス様は怒ってらっしゃるのね。
私はとんでもない事をしてしまった事に今更気が付いて、慌てて深々と頭を下げた。
「申し訳ありませんっ!」
「ど、どうしたの?キティ?」
クラウス様まで慌てて、私の顔を覗き込んできた。
「大切な【祝義の謁見】の日に大変なご迷惑をっ!
他のご令嬢方との謁見はどうなりましたでしょうか?
私のせいで、予定が狂ってしまったのでは……?」
恐る恐る私が伺うと、クラウス様は何だ、そんな事か、とホッとした様子だった。
「大切な【祝義の謁見】ならつつがなく終えられたよ?」
クラウス様の言葉に、私は深い安堵の溜息をついた。
よ、良かった〜…。
クラウス様が何とかして下さったのね。
胸を撫で下ろしていると、クラウス様が信じられないような事を言い出した。
「俺とっての大切な【祝義の謁見】の相手はキティだけだからね。
元から他の令嬢なんて呼んでないよ」
……は?(白目)
んっ?他のご令嬢方を呼んでいない?
【祝義の謁見】に呼んだのは、私だけ?
のこのこ参じてきたのは、私だけなのっ?
意味が分からず目を見開いてクラウス様を見ると、クラウス様は何故かもじもじしながら、頬を染めている。
何でだよ?
「だって、今までだって【祝義の謁見】なんか、テキトーに城の者に書かせたカードとテキトーに用意させた祝いの品を誰かにテキトーに送らせてただけで。
わざわざ会ったりしなかったし」
テキトーに多くないですか?
私はあんぐり開いた口が塞がらない。
嘘でしょ?この人?今までそんな事してきてたの?
確か、クラウス様より年上のご令嬢が3人、同い年が10人、1つ年下が6人…。
私達の世代までに19人の婚約者候補のご令嬢方がデビュタントを迎えている筈よ……。
その全員にそんな事してきた訳?
えっ?じゃ、今年も?
今年も私以外の6人に、そのテキトーなアレでテキトーなナニで、テキトーにコレしちゃったって言うの………っ⁈
なんて事………。
ファンサイベント(違う)を何だと思ってるのかしらっ!
テキトーなアレナニコレでお茶を濁してもらっちゃ困るのよっ!
見習ってっ!オリジナルの神ファンサ見習ってちょうだいっ!
なんなら私が教えてあげるわっ!ファンサの何たるかをねっ!
私はゴゴゴッと怒りで我を忘れ、クラウス様を睨みつけた。
クラウス様は何故か嬉しそうに、更にもじもじしている……。
はっ!クラウス様へのお説教は後よっ!
まずは他のご令嬢方に何かお詫びを……そうだ!
私にご用意頂いた品々を再分配すればいいのよっ!
流石に1人であれだけ頂くのは悪いし、婚約者候補全員でクラウス様カラーを纏えば、ああ、今年はそ〜ゆ〜趣向なんだなって思って貰えて一石二鳥。
名付けて!皆んなで渡れば怖くない!大作戦!
そうと決まれば先ずはあの王家の紋章入りのドレスグローブからよっ!
全は急げとばかりに、私は再びベッドから飛び降りようとして、クラウス様にトンっと軽く押され、またベッドに戻された。
「だから、キティ?さっきからどこに行こうと言うのかな?」
そう言いながら、クラウス様はベッドにギシリと片膝をつき、私の退路を完璧に絶った。
そのまま、ぐいっと体を私に寄せてくる。
瞳孔マックスー!開いてる開いてるぅーーっ!!!
「あ、あの、私はただ、他の婚約者候補の皆様に、申し訳なく、あのっ、それで」
しどろもどろになりながら、私は言葉を絞り出す。
歯がガチガチ震えて、うまく喋れない。
クラウス様は私の言葉に、ふっと力を抜くと、ふふっと笑った。
「何だ、そんな事……キティが気にする事ないのに……」
いや、そんな訳にはっ!
ファンサイベ緊急中止の辛さは私にもわかるものっ!
断腸の思いで、先ずはとにかくあの王家の紋章入りのドレスグローブから、さっさと!っと思っていると。
クラウス様がサラッととんでもない事を言ってのけた。
「だって俺の婚約者は今日からキティだからね」
はっ?えっ?はあぁぁぁぁぁぁあっ!!
なっ!にがっ!どうって⁉︎
余りの事に完全に固まった私の髪を一房掬って、クラウス様はそこに優しく口付けた。
「……な、なんで?私、お受けした記憶が……」
「それはね、キティ……」
言いながらクラウス様はベッドの上に上がってくる。
咄嗟に後ろに逃げようとした私を難なく捕まえて、胡座をかいた自分の足の上にヒョイと座らせた。
「ここが、僕の寝室だからだよ」
……ん?クラウス様の寝室だから?
それが何か?
キョトンとして小首を傾げ、クラウス様を見上げる私に、クラウス様は堪らないといったように切なげに笑うと、口を開いた。
「つまり、ここで僕達はそう思わせるだけの時間を2人きりで過ごしたって事」
……ん?………んん〜?……んんっ!んなっ⁉︎
私はやっと意味を理解して、赤くなったり青くなったりした。
つ、つまり、クラウス様の寝室で、2人きりで、アレがナニでコレで……ソレって誤解されちゃってるって事っ⁉︎
な、何それっ!
「で、でもそんな事……何も無かったって説明すれば……」
瞬間、クラウス様は大きな声を上げて、楽しそうに笑った。
「ハハッ、キティは本当に可愛いね。
そんな事、何の意味も無いよ」
クラウス様はチュッと私の髪にキスをした。
「大事なのは、俺達がここから数時間出て来なかった事と、俺が婚約者をキティに決めたって事実だけだよ」
私はクラウス様の言葉に頭がクラクラする。
つまり、事実はどうであれ、私はもうクラウス様のお手つき、という事なのだ。
そもそも未婚の貴族女性が男性の寝室に連れ込まれた事だけでも、充分に外聞が悪い。
私が婚約者候補第一位である事から、クラウス様がスムーズに婚約者を決めた、とした方が、私の為にもよっぽど良いのだ。
「ごめんね、咄嗟の事で焦っちゃって。
何も考えずここに運んじゃったんだ」
眉を下げて詫びるクラウス様に、そんな、私の方こそご迷惑をおかけして……と言おうとして、そこで私は、んっ?と思い止まった。
そういえば、過去何度もこの寝室に連れ込まれそうになった事があるよね?
んっ?あの時も、もしついうっかり入ちゃって、ついうっかり長居でもしようものなら、有無を言わさず婚約者確定だったって事っ!
っぶねーっ!危なかったー、良かったー、神回避出来て………なくねーっ!イマココっ!
私はじとりっとクラウスを見上げた。
「んっ?」
クラウス様は真上から私を見下ろしながら、小首を傾げた。
「クラウス様……もしかして……んんっ!」
私の抗議をクラウス様は最後まで言わせず、私の口を自分の唇で真上から塞いだ。
そのまま、角度を変えて、チュッチュッと何度も口付けてくる。
顎をクイっと持ち上げられているので、苦しくて腕をパンパン叩いたら、少し唇を離してくれたので、私はぷはっと息を吐いた、その隙にクラウス様は今度は正面から唇を塞いでくる。
今までされた事の無いようなキスに、私は夢中になって、クラウス様にしがみ付いた。
深いキスは角度を変えて、まるで私の喜ぶところを探るように入念に、何度も何度も繰り返された。
「んっ、んんっ」
角度が変わる一瞬の隙に漏れる私の声も、段々と熱っぽいものへと変わっていく。
チュッという水音と共に唇が離れると、私の舌とクラウス様の舌は銀の糸で細く繋がっていた。
顔に熱が集まり、私はクラウス様にぎゅうっと縋り付くと涙目で見上げた。
「あっ、く、らぁすさまぁ……」
舌がジンジン痺れて、舌ったらずな喋り方になってしまった。
クラウス様は、ゾクっと悪寒を感じた時のようにブルっと震えて、直後、猛禽類のように目を光らせた。
「…はっ、キティ、もう、逃がさない!」
そう言って私を後ろからキツく抱きしめる。
苦しいくらいに抱きしめられて、私は切なくて目尻に涙を滲ませた。
「あっ、ひゃんっ、あっ!」
クラウス様にうなじを舐められ、情けない声が出てしまう。
「んんっ、やっ….」
下から上にゆっくり舐め上げたり、吸い付いたり、軽く噛まれたりする度に、どんどん自分の声が甘くなっていくのが分かる。
背中がゾクゾクとして我慢できなくなって、背中を逸らした。
「可愛い、キティ……うなじが弱いんだね?」
耳元で熱い吐息と共に囁かれ、私はフルフルと頭を振った。
クラウス様はクスっと笑う。
「初めて同士、ゆっくり練習していこうね、たくさん」
そう嬉しそうに言って、私の胸を優しくその大きな手で包んだ。
「んっ、ふっ、んっ…」
その優しい手付きに身を任せていると、クラウス様は私の声に興奮するようにハァハァと息を荒くする。
「あ……んっ」
いつの間にか寝着を上半身だけ脱がされ、素肌に直接クラウス様の熱い体温を感じて、私はビクリと体を震わせ上擦った声を上げた。
「……ごめんね、キティ。
怖い思いをさせて」
耳元で熱く囁かれ、私はフルフルと首を振る。
怖くない。怖い訳ない。
大好きなクラウス様が怖い訳ない。
「もう、キティの気持ち良い事しかしないから、安心して?」
そう言ってクラウス様は優しい手つきで私の胸を可愛がる。
服越しとは比べ物にならない刺激に、私は身を捩った。
「….んっ、あっ……」
「ああ……何て甘くて可愛い声なんだ、キティ。
良い子だね、俺にこんなに感じてくれるなんて……」
そう言って、クラウス様は片手で私の膝を立てさせ、両膝を離した。
はしたない格好になり、私の目に涙が滲む。
「…あっ、クラウス様、だ、駄目、駄目です」
イヤイヤする私の髪を優しく撫で、クラウス様は安心させるように笑った。
「大丈夫、言っただろう?
キティを気持ち良くするだけだよ、ね?」
その間も、片手は私の胸を可愛がっていて、私は体の震えを止められない。
お腹に熱がどんどん篭っていき、自分でもどうしたら良いのか分からない。
「ほら、キティも辛そうだ……。
ねっ?俺に任せて?」
そう言われても、羞恥で頷けない私の目元にチュッとキスをして、クラウス様の腕が後ろから太腿に伸びてきた。
優しくゆっくりと、少しづつ、太腿を撫であげられていき、その感覚に私の頭はおかしくなりそうだった。
「……はっ、あっ……」
その動きが何だか焦ったくて、私は膝と膝を擦り合わせた。
「駄目だよ、キティ。足は広げておこうね」
再びクラウス様に膝を離され、切なくて、私はハッハッと浅い息を繰り返した。
「大丈夫、キティ。直ぐに楽にしてあげるから」
そう言ってクラウス様は手を滑り込ませ、ゆっくりと優しく撫でる。
「ああっ、ダメ、ダメです、クラウス様、ダメぇっ」
ビクンと体を震わせる私の耳元で恍惚としたようにクラウス様が囁いた。
「あぁ、キティ。可愛い……すごく可愛い。
良い子だね」
そう耳元でクラウス様に囁かれ、ますます顔が真っ赤に染まる。
全身が震え、浅い息をハッハッと何度吐いても心臓の鼓動が落ち着かない。
身体中痺れたように、足の爪先まで甘い感覚が襲う。
羞恥で顔が火照ってクラウス様の顔もまともに見れない。
「…ああ、本当に可愛い、キティ。
頭からバリバリ食べちゃいたいくらい可愛いよ、キティ」
物騒な事を呟きながらクラウス様は私を後ろからぎゅっと抱きしめる。
「……あっ……!」
まだ身体に甘い痺れが溜まっていて、私はクラウス様に何をされても、小さな声を上げてしまう。
「ふふっ、どうしたの?キティ?
もしかして、まだこんなものじゃ全然足りないのかな?
君の体が物欲しそうにしているよ」
えっ?そうなのっ?
そういうもの?……私的にはもう充分お腹いっぱいなのですが…?
ジンジン痺れる頭を必死に働かせようとするが、なかなかうまく思考が纏まらない。
ただクラウス様の吐息が熱くて、色っぽくて……。
私は熱のこもった瞳で、とろんとクラウス様を見つめた。
「ああっ、キティ……そんな男を煽る目をして……。
……止められなくなっちゃうよ?」
脅すような低い声に、私の体がピクンと反応する。
「……もう、どうなっても知らないよ?」
怪しい程の色気を纏ったクラウス様に、私はごくっと喉を鳴らした………。
私の髪に優しくキスをしながら、クラウス様はゆっくりと私を膝から降ろし正面に回り込んだ。
愛おしそうに私の目を見つめるアイスブルーの瞳。
そこに映るのは、蕩けきった顔で瞳を潤ませ、だらしなく口を半開きにした………私?
カァッと顔にますます熱が集まり、私は堪えきれなくなって下を向いた。
その私の顎を優しく掴んで顔を上げさせると、クラウス様は啄むようなキスを繰り返す。
チュッチュッというリップ音だけが部屋に響く。
お臍までずらされた寝着を、ゆっくりストンと下ろされ引き抜かれると、私の体を隠す物は下に履いている頼りない下着1枚になってしまった。
私は急にそれが恥ずかしくなって、両腕をクロスさせるように胸を隠した。
私のその姿に、クラウス様は、はぁっと熱い溜息をついて、うっとりと私を眺めた。
「なんて綺麗なんだ……キティ……」
そう言うと、私の顔をそっと両手で包んで上向かせ、唇を重ねた。
啄むようなキスから、だんだんと、舌先で唇を舐められ、下唇を甘噛みし、開いた口から舌が侵入してくる。
舌を絡めて擦り上げられ、吸い上げられるうち、私も必死にそれに答えようと舌を絡ませていた。
「…んっ、ふっ、あ、ふぁっ」
「…はっ、キティっ、んっ」
気がつくと私達2人の荒い呼吸が部屋に満ち、貪り合うようにその行為に夢中になっていた。
「…んっ、はぁ、ねぇ、キティ?」
離れた唇に縋り、名残り惜しそうにその唇を追いかけ、チュッと軽くキスをする私に、クラウス様が問いかけた。
「もう少しだけ、君を感じさせて」
その言葉に首を傾げる私に、クラウス様は妖艶に微笑んで、人差し指をツツと鎖骨からゆっくり下に下ろしてきて、お腹のお臍の周りをクルクルと指で撫でた。
「んっ、あっ…!」
ビクッと体を震わせる私に、満足したように笑って、クラウス様は優しく壊物を扱うように、ベッドに私の体を押し倒した。
ファサッと私のピンクローズの髪が敷布に落ちる。
「ああ、本当に可愛い、キティ。
この髪型、初めてだよね?」
クラウス様は髪を一房取ってそこにキスをした。
「こ、これは、マリサが。
でも私はあまり……なので、もうしないと思います」
私は慌ててツインテールの髪を両方掴んで、しどろもどろに言った。
「そっか、少し残念だけど、仕方ないね。
まぁ、キティはどんな髪型をしていても可愛らしいからね」
そう言って、クラウス様は私の頬を優しく撫でてくれる。
私はそれが心地よくて、その手にスリスリしてしまった。
「ふふっ、可愛い。キティ」
クラウス様は、私の髪に、頬に、唇にキスをして、首をゆっくり舐める。
その度に私は体をピクンと跳ねさせた。
クラウス様の舌先はだんだんと下に降りて来て、またお臍を舐られ、私はビクンッと体を跳ねさせる。
「……まっ、待って、下さい……あっ、ダメっ、ダメです、クラウス様ぁ、それい……じょうは、ダメです……」
私は涙目でイヤイヤ首を振る。
「大丈夫、キティ。これ以上は何もしないよ」
………そういう事じゃないぃぃーー。
もう十分色々されてるぅーーーっ。
そもそも裸にされてる時点でもう無理なんだってばっ!
その上、チュッチュッチュッチュッ、あちこちキスされたり、その、色々……。
もう無理なんだってばぁっ!
……と、言いたくても言えない言葉を飲み込む。
羞恥でもはや、どうしたらいいのか分からない。
「きゃっ、いやっ、あっ」
その時、クラウス様の指が裸の胸にツッと触れて、瞬間私はボッと頭を爆発させ目をグルグルと回した。
………あっ、ほら、無理だって言ったのに………。
完全に許容オーバーに達した私はそのままグリンと白目を剥いて気を失った………。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
くたりとベッドに横たわるキティの頬を優しく撫でながら、クラウスは満足そうに笑った。
自分の与えるもの一つ一つ拾っては、甘い声を出すキティの姿を思い出す。
「可愛い、キティ。俺の、俺だけのキティ」
そう言うと、力なくだらんとしたその体を抱きしめ、飢えた獣のように瞳を光らせた。
「ごめんね、もう君を逃してやらないよ」
そう言ってクラウスは、くつくつと腹の底から楽しそうに笑った。
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後書き
変態覚醒(後光)
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