28話 王女とメイド

~ネスト視点~

「あなたたちはなんで私を助けたのです?」

「私ははるかというのよろしく。みくが言うには、あなたからは戦闘の意思を感じられなくなったと聞いたよ。うちのパーティーは、戦闘意思のないやつまで殺したりはしないよ。さぁ、なんで戦う意思が無くなったのかな?」

「先に質問させてくれ、ここにヴェル様とファル様がいるのか?」

「いるねぇ、それがどうかしたかな?うちは、あの二人を保護しているんだ、襲うと言うなら容赦はしないけど」

「良かった…本当に良かった」

嬉しさのあまり泣いてしまった

「私は、悪魔界でお2人につかえていた、メイドです。お2人を探すために、過激派に潜入し、こちらの世界へと渡ってきました。」


少し経ってから、私が連れてこられた部屋の扉が開いた。

「ただいまぁ〜、腹減ったな」

「なにかお作りしましょうか?」

「いや、良いよ、こんな時だから、あまり食料もないし」


私は信じられない光景をみた、ファル様とヴェル様が私の知らない男に付き従うように部屋に入ってきたのだ

だが、それを問い詰めるよりも私の使える主人にまた会えたことが嬉しく泣きついてしまった。

「うぁわーん、ヴェル様、ファルざまー。また、あなた方に会えたこと、こころより嬉しく思います。」

私が、挨拶をしたというのに私に何か言うよりも先にこの男に謝罪したのだ

「主、申し訳ありません。彼女は、悪魔界で私たちのメイドをしていた、ヴィーネストです。ネストとお呼びくだされば幸いです。」

この男め!許せん

そんなこと考えていると王女様方が男に提案をする

「主様、しばらく私達3人で話をしたいという願いを、受け入れてはいただけないでしょうか」

「分かった良いよ、2人の部屋には、近づかないようにみんなに言っておくよ」

男がファル様の頼みわ聞き入れる。


~ファルside~

「失礼ながら伺いますが、お2人はなぜあんな男にしたがっているのです?王女ともあろう方々が見くびられてしまいますよ」

「言っておきますが、私たちはあの方に救われたのですよ。こちらの世界のことは、何も分からない、しかも見る人が見れば私たちが悪魔であることはすぐに分かる。過激派からの攻撃と異空間移動で消耗しきっていた私たちは、殲滅部隊にみつかっていたら殺されていたかもしれない。そんな私たちを悪魔種だと気がついていながらじん様は助けてくださったのです。」

ファルが強く言った

「えぇ、あの方も殲滅部隊の方ではありますが、私たちにも気を配ってくださるのです。それにじん様は、たかが私たち二人が暴れただけでは困りもしないでしょうから。あなたも、ジン様のお仲間に負けたのでしょう?そうでなければプライドの高いあなたが、言うことを聞くわけが無いですからね。じん様やはるか様、その他お仲間様も、私たちに良くしてくださっているのだから、無礼な行動は謹んでくださいね」

今度は、ヴェルが諭すように語る。

「もっ、申し訳ありません。」

ネストはそう言った、いやその言葉しか出てこなかったのだ、あの男の事を嬉しそうに話す2人に

気分を害するようなことを言えば、自分がどうなるのかが簡単に理解出来たから。

「今私たちはじん様にメイドとしてつかえています。ですからあなたも本物のメイドとして、皆様につかえましょう。」

ヴェルが嬉しそうにそう言った。




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