第9話 変態、目覚める
真っ暗な世界。
(俺はまた死んだのか?)
俺は目を開けたまま、少しの時間、身動きを取らずにいる。周りからかすかに物音が聞こえ、目が慣れてくると、ここがアリアさんの部屋だと分かった。
(よかった。死んでいない!!)
ホッと一息を付くと、かすかに寝息が聞こえてくる。
俺の横には、酔いつぶれて寝ているアリアさんの姿があった。
俺は体を起こし、アリアさんの恵体を見つめる。紐パン姿のアリアさんのお尻は、とても艶めかしく美しい。
俺の耳元で悪魔がささやく。
「今なら触ってもバレないぞ」
俺はそっと手を伸ばした。
あと数センチでアリアさんのお尻…だが
「俺は紳士だから、寝ている女性の体を触る事なんて出来ない」
と、呟く。
俺はアリアさんを抱きかかえ、ベッドへと運び寝かせると、自分はソファで一夜を明かした。
朝になり目を覚ますと、俺の体にはタオルケットが掛けられていた。
「おはよう!!」
アリアさんの爽やかな声。ちょうど朝日がアリアさんを照らし、プラチナブロンドの髪が『キラキラ』と光って見えた。
「綺麗だよ、アリアさん。まるで女神様だ。あなたのような美しい女性を、俺は見た事が無い」
ごく自然に口から出てきた言葉。
しかしアリアさんは赤面して照れる。その姿がまた美しく、可愛らしい。
「ば、馬鹿な事を言ってないで、朝食を食べに行きますよ!!」
そう言うと、アリアさんは背を向けてしまった。当然、今は紐パンでは無かった…。
食堂へ行くと、すでに騎士達はテーブルに座っていた。俺達を待っていた様だ。
「おはよう!!」
俺はこれ以上ないくらいの爽やかな笑顔を作り、女性騎士達に挨拶をした。
『おはようございます!!』
みんな笑顔で挨拶を返してくれる。当然、今は私服で可愛らしい服を着ている。表情も柔らかで、皆美しい。前世の女子高生ほどすれてなく、とても素直だ。
そして…
「みんな!!紐パン、穿いてる?」
と、大きな声で問いかけると
「穿いてます!!」
と、満面の笑顔で答える。
ノリも良い。
ただ、アリアさんだけが苦い顔をし、頭を抱えていた。
ここで、アリアさんと同じくらいの歳だろうか、女性騎士の中では割と年上の女性が
「ツバサ殿、申し訳ないのですが、パンツが一枚だけですと変えが無く、不便なのです。できれば、もう複数枚、都合していただけると助かるのですが…」
と、言ってきた。
みんな『うんうん』と頷いている。
「確かにそうだね」
俺は大量のパンツとブラを作り出し、テーブルの上に置いた。
「みんな、早い者勝ちだよ!!」
俺がこう言うと、全員下着に群がった。
ふっと見ると、アリアさんも嬉々として下着を選んでいる。
「お尻にくまさんがいる。これ可愛い!!あっ!?こっちはうさぎさんが…」
見た目はクールビューティーのアリアさんだが、以外にも可愛らしいパンツがお好みの様だった。嫌いじゃない。
パンツを脱がした時、見た目は凛としたアリアさんが、可愛いイラストがお尻に付いているパンツを穿いている。これはこれで良いではないか!!紐パンとは別の意味で『グッ』とくるものがある。
アリアさんが下着になり
「このパンツ、子供っぽいかな?」
と、恥ずかしながら言うところを想像する。
(良いではないか、良いではないか!!)
俺は真面目な顔をしながらも、そんな事を考えていた。
『ツバサ殿、ありがとうございます!!』
みんなが一斉にお礼を言ってくれた。嬉しい。
そして席に着き、朝食を取り始める。
「今日は皆さん、どうするのですか?」
「ふふふっ、今日は地獄の体力作りです。ウェイト、長距離走、綱登りなど、一見地味ですが過酷なトレーニングが待っています」
アリアさんが団員を見渡しながら言う。なぜか半笑いなところが怖い。
「……………」
さっきまで元気だった団員も、テンションガタ落ちである。言葉を無くし、表情には悲壮感まで漂っている。
「だ、団長。お願いがあります。トレーニングに文句はありません。ですが…ぜひ、ツバサ殿より頂いたブルマと体操服を着て、トレーニングを行いたいのです」
「あ、あれを着てか!?」
団員の願いに、アリアさんが慌てるが、俺は歓喜した。
「アリアさん、ブルマは本来、運動をする時に着用するものなのです。何の問題もありませんよ。特に、基礎体力トレーニングをする時には、適していると思います」
「うう~ん…。しかし…露出がなぁ。他の者が見たら、大騒ぎになるかも…」
「大丈夫ですよ!!ブルマと体操服は、女王様にも献上したものですから!!」
「確かに…分かりました。とりあえず今日のところは、希望者はブルマと体操服でトレーニングを行う事を許可します。今後は周りの反応を見て決めたいと思います」
『やった~!!』
全員が喜んでいる。これは期待できる。ぜひ、見学をしなければ!!
「アリアさん、見学をさせてもらえませんか?この世界のトレーニングに少し興味があります」
「いいですよ。それよりも、ツバサ殿も一緒にいかがですか?地獄の体力作り!!」
「遠慮します!!」
俺はアリアさんの提案を断固断る。そして、団員達の紺ブルマに包まれた『プリプリ』お尻が躍動する姿を想像し、期待に胸を膨らませるのであった。
【アリアルーナ視点】
(飲み過ぎてしまったわ…)
酔い潰れて床で寝てしまったようだった。体の節々が痛い。真っ暗の部屋の中、しばらくぼんやりとした時間が流れる。
(ふふふっ、可愛らしい顔をして…)
同じく床で寝てしまっているツバサ殿のほっぺを指で押す。
本当は寝ているのではなく、自分が顔面騎乗をして気を失わせてしまったのだが…。その時は寝起きで忘れていた。
「うう~ん…」
急にツバサ殿が目を覚ましそうになる。
私はなぜか寝ているふりをしてしまう。
しばらくすると、ツバサ殿が体を起こす気配がした。薄目を開けると、ツバサ殿の手が私のお尻に近づいて…。
(ど、ど、どうしよう!?)
私は気が動転し、身動きが取れない。
このままでは…。
(嫌だ…相手がツバサ殿でも絶対に嫌だ!!寝ている間に体を触られるなんて…)
陛下からはツバサ殿を篭絡せよとの命令が出ている…が、ツバサ殿には正面から口説いてもらいたいの。そうすれば…私だって…拒否はしないのに。
(ツバサ殿、私を失望させないで!!)
私の想いが届いたのか、ツバサ殿は手を止める。
そして…
「俺は紳士だから…」
と、ツバサ殿が呟く声が聞こえた。
私は『ホッ』と一息つく…が、なぜかツバサ殿は私を抱きかかえ寝室へ…。
(えっ!?私このまま…食べられちゃうの!?は、初めてはもっと…ロマンティックにして欲しい…)
と、頭の中でとんでもない破廉恥な想像をしてしまうのでした。
しかし、ツバサ殿はそんな私の想いを知ってか知らずか、私をベッドに寝かせ隣の部屋へ…。
「……………」
私はツバサ殿の出て行ったドアをしばらくの間、無言で見つめているのでした。
しばらく時間が経過しましたが…
「…寝れません」
鼓動の高鳴りが収まらず寝付けない私は隣の部屋へ…。
ソファーで寝ているツバサ殿
(まったく…可愛らしい顔をして…私の心をかき乱す)
私は苦笑いしながらタオルケットを掛け、思わずツバサ殿の唇にキスをしてしまったのでした。
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