第7話 変態、紐パンを配る

「私も異世界パンツが穿きたいわ」



 女王様が俺に言う。



「女王様がお望みなら、スキルを使い、作る事は可能です。献上致しましょうか」


「…いや、買い上げる事にしましょう。ツバサもお金が必要になるでしょうから」


「お気を使って頂き、ありがとうございます」



 俺はお礼を言って、下着を作り出す。水玉模様やお尻に可愛らしいイラストがプリントされているパンツ。当然、大人の女性用のスケスケのパンツも…。あとは俺のお気に入りの紐パン。横が紐状になっていて、後ろがTバックになっているパンツ。これは布地の面積が極端に少ないパンツだ。


 いくつもの下着を作り出し、この中から女王様の気に入ったパンツを買い上げてもらう。当然、セットのブラも作った。


 女王様は目の前に山のように積まれた下着を見て、目を輝かしている。



「これは凄く可愛いわね!!こちらはとても上品だわ!!どう?アリア。私に似合うかしら?」


「はい。陛下はスタイルも良く、とてもお似合いだと思います」


「うふふふっ、正直ね!!」



 女王様はとてもご満悦だ。


 しかし…



「こ、これは!?ただの紐にしか見えないが…」



 困惑した表情で、紐パンを指でつまんで俺に見せる。



「女王様、紐ではありません。それもパンツですよ。ただし、大人の女性専用です。異世界の美しい女性は皆、この紐パンを身に着けておりました」



 俺はここぞとばかりに、自分の趣味を押し付ける。



「こ、これが…パンツ…大人の女性専用。アリア、どうでしょう?」



 女王様は紐パンを指に引っ掛け、アリアルーナさんに見せる。



「そ、それは!?穿くのに勇気が必要ですね。私の様に鍛えていて、大きなお尻には似合わないかもしれませんが、陛下の様な小尻にはお似合いかもしれません」


「そ、そうか…」



 女王様は困惑しながらも、紐パンをお買い上げになられるようだった。



(紐パンが女王様の股間に食い込む姿を見てみたいなぁ)



 俺は紐パンを指にかけ、眺めている女王様を見ながら、そう思わずにはいられないのであった。



「では…全て頂きましょう!!お金は帰ってから、アリアから受け取ってください」


「ありがとうございます」



 俺はお礼を言って周りを見渡すが、心なしかアリアルーナさんやその他の女性騎士、お付きのメイドさんががっかりしているように見えた。



(女王様のおこぼれでも期待していたのかな…。それなら、この世界でランジェリーショップを開いたら成功するかもしれないな)



 そう思うのであった。


 そして最後に紺ブルマと体操服を作り、女王様に渡した。



「女王様、もし運動をする機会がありましたら、この紺ブルマと体操服を身に着けてください」


「うむっ、今、アリアが穿いている物だな。有難く受けとっておこう」



 女王様はそう言って、紺ブルマと体操服を受け取ってくれた。



(女王様とアリアルーナさんに紺ブルマを穿かせて戯れたいな。やはり大人の色気を漂わせた女性に紺ブルマを穿かせるのが一番興奮するよな!!)



 俺は真面目な顔をしながらも、心の中ではそんな妄想が止まらないのであった。




 しばらく休み、暗くなる前に城への帰路につく。


 俺はしばらく女性騎士の寮にお世話になる事になった。これは俺の世話役のアリアルーナさんが寮生活をしているためであったが、俺が希望したものでもある。


 本来は豪華な宿泊施設にという事だったが、ラッキースケベを狙って…では無く、この世界で生きていくうえで、普通の生活を感じたかったからだ。



「よろしい。アリアよ、お前の部屋に泊めてやり、この世界の常識や考え方を教えてあげなさい」


「わ、私部屋にですか?」


「私の命令に不満があると?」


「い、いえ…そうではなく…私は…その…独身で…」



 赤面し、腰をくねらせ恥ずかしがる姿が、男性経験が無い事を物語っていた。


 そんなアリアルーラさんに女王様は近づき、何やら耳打ちを…。



「わ、分かりました。この国の為なら…」



 顔を赤らめながらも、アリアルーナさんはそう答えた。




 俺とアリアルーナさんとその他の女性騎士達は寮へと向かう。男性と接する機会が極端に少なく、皆、俺の存在を快く迎えてくれた。



「ズルいです~!!団長!!ツバサ様と同部屋何て…」


「そうです!!職権乱用です!!」


「一日ずつ、交代制にしませんか?」



 美しく、凛々しい女性騎士達が俺をめぐり争っている。夢の様だ。


 しかし…



「これは陛下の命令です!!異論は認めません!!」



 アリアルーナさんはピシャリっと言い放つ。


 さすがに女王様の命令と言われて逆らうものはいない。皆、渋々ながらも納得したように見えた。



「皆さんにも、この世界の事をいろいろ教えて頂けたら助かります」



 俺がそう言うと、女性騎士の皆さんは満面の笑みで受け入れてくれた。お礼と言っては何だが、全員に紐パンとブラのセットと、紺ブルマと体操服をプレゼントしてあげた。



『こ、これは!?凄いですね…』



 恥ずかしながらも、目を輝かせて受け取ってくれる女性騎士さん達。是非、身につけて披露してもらいたいものである。


 そして、俺達はアリアルーナさんの部屋へと向かった。


 アリアルーナさんの部屋はあまり物が置いてなく、非常にシンプルであった。しかし、数少ない私物はキッチリと整理されており、アリアルーナさんの実直な性格がうかがえる。



(ふふふっ、真面目で美しいアリアルーナさんを、淫らに染め上げてみたいものだ)



 そう思うものの、俺は紳士である。思うだけで、非道な真似はしない。


 だが、先程みんなには紐パンをあげたのに、アリアルーナさんだけにはあげていない事を思い出した。


 それで…



「アリアルーナさんも紐パン、欲しいですか?」



 と、聞く。


 アリアルーナさんは恥ずかしながらも『はい』と答えた。


 俺は『ウキウキ』で紐パンを製作し、アリアルーナさんに渡す。



「…アリアルーナさん、穿いたところを見せてもらえませんか?」



 ダメ元と思い言ってみる。



「…はい」



 アリアルーナさんは小さな声で答え、隣の部屋へと着替えに行ったのだった。






【アリアルーナ視点】


 陛下が私に耳打ちをする。



「アリアよ。ツバサを篭絡せよ。ツバサを手なずけ、お前から離れられなくせよ」


「私にそのような事ができますかどうか…自信がありません。陛下、私の手をご覧ください。おおよそ、女性らしからぬ手をしています。剣だこだらけで固く…このような女性で男性を篭絡などは…」


「できる。ツバサはお前を気に入っている」


「しかし、私は…その…男性経験もなく…」


「分かっておる。幼い時より一緒だった仲だ。お前が処女ということは承知の上での事…。ツバサを他の国に渡しては危険だ」


「ユベントリー王国の為に…分かりました。一応…やってはみます」


「すまない…。しかし、アリア。ツバサの容姿はお前の好みであろう?」


「!?…そ、それは…そうですが…」


「ふふふっ、国の為にじじいに嫁げと言っているわけではない。許容範囲であろう?」


「うううっ…。はい」



 私は陛下に押し切られ、ツバサ殿を篭絡する事になってしまいました。しかし、どの様に篭絡したらよいのかわからず、途方に暮れてしまうのでした。

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