⑮オレ、百合漫画の主人公として、攻略を開始する前に学校生活に慣れるようにするよ。
「やっと一時間目の授業が終わった…」
「何だかすごく疲れてるみたいだね…?
そんなに授業疲れたの…?」
「授業は関係ないよぉ…」
「えっ…?それってどういう意味…?」
「あっいや!何でもない、気にしないで!」
「そっそう…?」
鶴子ちゃん、君が居ることで、興奮しちゃって
それを抑えるので疲れたんだなんて言えないってば…
それにそのほかにも興奮しそうなことがいっぱいある…
なぜなら、転生する前は思春期ど真ん中の少年だったオレにとって
歳の近い女の子がいっぱい居る環境そのものだけで刺激が強すぎるからだ!
そして、オレをさらに興奮させる可能性があるものがもう一つある…それは…
「紗季、次の授業が始まる前にお菓子、食べとく?」
「食べる!食べる!」
「じゃ、あーん。」
「パクッ。美味しい〜」
「よかったね。」
「陽子ちゃん、お礼にチューしてあげる〜」
「こらこら、まだチューは駄目、お昼休みになったら、沢山してあげるから。」
「はーい、我慢する。」
「偉い、偉い。」
「えへへ…」
「じゅるるっ…」
(身長差がある、ロリ女子と大人びた女子のカップルかぁ…尊いなぁ…)
「穂乃果、今日の放課後はどこにデートに行こうか?」
「私は真紀ちゃんと一緒なら…どこでもいいよ…?」
「フッフ、本当におまえは可愛いやつだな。」
「真紀ちゃんが私を可愛くするんだよ…」
「おまえを彼女に出来て、私は幸せ者だ。」
「私も幸せだよ。」
「じゅるるっ…」
(こっちはかっこいい系女子とお姫様系女子のカップルだと…美しすぎるだろ…)
見ればわかるようにあちらこちらに女同士のカップルがいること!
百合好きのオレにとってはこの状況で興奮しないのはオレじゃない!
「最高…天国すぎる…生きててよかった…」
「おーい、ひよっちー?
駄目だ、さっきみたいに聞こえてないみたいだー?」
「息荒いし、顔が真っ赤だよね…体調でもわるいのかな…?」
「うーん、どちらかというそうじゃなくて?」
「えっ?」
「ひよっち、ひよっち!」
「えっ!なっ何?」
「やっと気づいた、ずっと声かけてたんだぞー?」
「そっそうなのか、それはごめん!」
「一体、どうしたんだよー?
よだれをたらしながら、ニヤニヤしてたし
まるで変態みたいだったぞ?」
「変態!?」
「兎姫ちゃん!?」
(そっそうか、今の変態に見えてたのか!
でもよだれたらして、ニヤニヤしてたら、そりゃそうだわな…)
「なっなんてこと言うの兎姫ちゃん!」
「えっ?」
「もう、雛ちゃんが変態なわけないじゃない!」
「あはは、つるっちは昔から雛のことを少しでも悪く言うと
すぐに怒ってくるよなぁー?」
「なっ!…」
「つるっちは本当にひよっちのことが大好きだよな。」
「兎姫ちゃんったらー!
そうやってすぐ私をからかってー!」
「あはは、照れてる、照れてる。」
「はーい、皆さん
そろそろチャイムが鳴りますよ
席に着いてくださいー。」
「それじゃ、次の休み時間に!」
「もう!兎姫ちゃったら!」
兎姫は自分の席に戻って行った。
「あっあのね、雛ちゃん…
さっきの兎姫ちゃんが言ってた大好きって…
友達としての意味だから…安心して…ってあれっ…?」
(今のは鶴子ちゃんと豆っちの幼馴染ならではでの会話…
普段怒らないのに好きな人のためなら本気で怒る鶴子ちゃんと
それをわかってて、無邪気にからかってた豆っち
どっちも可愛くて…尊かったぁぁ…)
「じゅるる…最高…」
「確かに…雛ちゃん…変態に見える…」
−そしてそれを天界から見ているあの方はというと−
『あらら、攻略そっちのけで、あんな変態な顔して、喜んでるとは…
まぁでも、まだ攻略を始めて初日だものね、これから主人公としての活躍を見せてくれるはず…多分…
そっそれに攻略するつもりが攻略されるパターンの百合ってのも見てみたいと思ってたのよね!』
女神は開き直った!
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