⑪オレ、百合漫画の主人公をやると女神に宣言したよ。
『試練をやるのは雛、あなただけよ?』
「どっどうして私には試練はないんですか?」
『簡単な話よ?本当は私があの世界に呼んだのはあなたのおねえさんの雛だけで
あなたは偶然にも一緒に来ちゃっただけだし、試練を与える事もないかって。』
「じゃあ、私はどうやったら、もとの世界に帰れるんですか…?」
『さっき言ったじゃない?あなたのおねえさんが試練を果たせたら
もとの世界に帰らせるって?それはあなたも一緒って意味よ?』
「そっそうだったんですか…」
「心配しないでくれ、オレが試練を果たして
琴梨ちゃんをもとの世界に帰してあげるから。」
ドキッ。
「うっうん…ありがとう…」
『まぁでも、あなたがどうしてもおねえさんと同じ試練をしたいって言うなら!
わたくしは喜んで試練を与えてもいいのよ?』
「遠慮しておきます…」
『あら、つまらない、もっと楽しめると思ったのに』
「あの…それじゃまるでこの試練が
女神様が楽しむためだけのためにやるみたいじゃないですか…?」
『ええ、そうよ?』
「あはは、女神様も即答ですか…」
『だって、いいじゃない!百合!女の人同士のイチャイチャ!
見てるだけで、キュンキュンしちゃうもの。』
「ですよね!ですよね!女の子同士のイチャイチャは神ですよね!」
『あなたわかってるじゃない!』
「もちろんです!百合大好きですから!」
『同志!』
「同志!」
女神と雛(晴都)は目を輝かせて、強く手を握り合った。
「あはは、この中だとなんか私が浮いてる気がする…」
『あら、そろそろあなた達のどちらかがあの世界で目覚めそうだわ
時間もあまりないから、もう一つ伝えなきゃならないこと伝えるわね。』
「はっはい!」
『あなたに攻略して欲しい女性は厳選してすでに決めてあるの
その記念する最初の一人目を伝えるわね!』
「はい!」
『フッフ、いい返事ね、最初だから難易度を少し優しくしてあるわ
雛、あなたの攻略対象、最初の一人目は!』
「ゴクッ。おねえちゃんの最初の攻略相手は…」
『鏡原鶴子ちゃんよ!』
「鶴子さん!?おねえちゃんの幼馴染のあの鶴子ですか!?」
『ええ、そうよ!その鶴子ちゃん!』
「わかりました!」
「だから即答しすぎだって!
鶴子さんはおねえちゃんの幼馴染で、大切な親友なんだよ?」
「漫画読んでるから知ってるよ。」
「あっ、そっか、知ってるんだったね…」
「漫画で雛は幼馴染の鶴子をちゃんと攻略してた
攻略の仕方もちゃんとわかってる、だから安心してよ。」
「私が心配してるのはそれじゃないんだけど…」
「女神様!オレ、必ず鶴子を攻略してみせます!」
『フッフ、すごい自信あるみたいね
楽しみに見てるわ、頑張ってちょうだい。』
「はい!」
「もう〜!私はどうなっても知らないから〜!」
そして琴梨はベッドから床に転げ落ちた。
「痛てて…はっここは!おねえちゃんの部屋だ!
そっか、今の衝撃で起きたのか…おね…晴都さんは…」
「えへへ…」
「まだ寝てる…」
「絶対に鶴子を攻略するぞ…」
「あはは、寝言までそれか…でも…」
"オレが試練を果たして
琴梨ちゃんをもとの世界に帰してあげるから。"
「おねえちゃんの姿でそんなかっこいいセリフ言うなよ…」
琴梨は頬を赤くして、眠る姿を見ていた。
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