➉オレ、百合漫画の主人公として女神に会ったよ。

《目覚めなさい、わたくしに選ばれし、主人公の妹の琴梨…》


何だろう…さっきから名前を呼ばれてる気がする…


《目覚めなさい》


「んっ…えっ?えっ!?こっここってどこ!?」


目を開いたら、そこは周りすべてが真っ白な空間で

そして目の前に神々しい光を放つ、綺麗な女の人がいた。


『やっと目覚めたわね、何度問いかけたことか。』


「あっあなた誰ですか…?」


『オッホンッ、教えてあげるわ、わたくしは…』


「女神様だよ。」


「おね…晴都さん!居たんですか!」


「琴梨ちゃんが目覚める少し前にね。」


「そうだったんですね、というより、この人が女神様って?」


「この方こそ、オレ達を女しかいない世界に呼んだ張本人なんだ。」


「えっ!?本当ですか!?」


『ひどい〜!わたくしが言う前に正体をネタバレするなんて〜!』

 

「あはは、ごめんなさい、つい…」


『最初からわたくしのこと知ってたみたいだし

 雛、あなたはもしかして、能力者か何かなの?』


「そっそうじゃないですけどね!」


「あれ?女神様は晴都さんがおねえちゃんに

 転生してること知らないんですか…?」


「ああ、どうやらな、だから内緒にしてるんだ…」


『何を二人だけでヒソヒソ話してイチャついてるのかしらー?』


「イチャイチャって!」

「なっ何でもないです!」


『なんか引っかかることもあるけど、まぁいいわ

 この空間へあなた達を呼んだのは、ほかでもないの

 あなた達がもといた世界に帰るために

 果たさなければならない試練を与えるためよ!』


「ゴクッ…私達がもといた世界に帰るために

 果たさなければならない試練…それって…?」


『フッフッフ…そ・れ・は・ね…』


「ちょっと待ってください!」


「えっ?」


『もう〜!また邪魔して〜!

 そんなにわたくしを怒らたいのかしら〜?』


「違いますよ!でもちょっと待ってください!

 琴梨ちゃん?今から女神様から琴梨ちゃんにしたら

 とんでもなく驚くことを言われると思うから、そのつもりで、いい?」


「えっ?あっうん…わかった…?」


「じゃ、続きをどうぞ!」


『ハァ、さっきからわたしくのペースを

 乱されてる気がするけど、もう許してあげる…

 オッホン、気を取り直して、今度こせそ発表するわ!

 あなた達がもといた世界に帰るために

 わたくしの管理する女しかいない世界で

 クリアしなければならない試練はたった一つ!それは…』

 

「ゴクッ…それは…?」


『愛田雛、あなたがあの女しかいない世界で

 わたしくが厳選して選んだ10人の女の人を攻略して

 恋人にして、最高のハーレムを作ってみせなさい!』

 

「えっ?えっーー!?」


「わかりました、必ず試練を果たしてみせます!」


「そして即答するの!?」


『まぁ〜!そのやる気に溢れた瞳、嬉しいわ〜!

 同性同士の恋愛だから戸惑うかと思ったのに!』

 

『オレの好きな漫画の展開ですから。』


『好きな漫画の展開?何のことかしら?』

 

「あっえっと、何でもないです!」


『そう?』


「おね…晴都さん…?前に私達が漫画の登場人物だって言ってたけど…?

さっきからの話からするに、もしかして、漫画って…?」


「あっうん…想像してる通りだよ、百合漫画…」


「はっはっ…やっぱりか…よく考えてみたらそうだよね…

 女しかいない世界に来た時点で、それしかないよね…」


「驚いたよな…?」


「そっそりゃ驚くよ!自分が漫画の登場人物だってだけでも驚いてたのに、それが百合漫画だったなんて…」


「もしかしてそういうのいやだった…?」


「そっそんなことはないよ!私も漫画雑誌で読んだこともあったし、抵抗はあまりない…」

 

「よかった…それを聞けて…安心したぞ…」


「じゃじゃあ、私もこの世界に来たからには

 晴…いや、おねえちゃんみたいな試練をやるってことですか…?」


「あっそっか!どうなんですか、女神様?」


『そのつもりはないわよ?』


「えっ?」

「えっ?」

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