⑦オレ、百合漫画の主人公として、妹を彼女と言ったよ。(ナンパ阻止)
「じゃあ、会計、済ませてくるから
先に外に出てていいよ。」
「わかった、待ってる。」
琴梨は喫茶店の前の看板に寄りかかって待っていた、すると…
「あら、可愛い子、見っけ〜」
「あっ本当だ〜」
琴梨に化粧バリバリの金髪ギャル二人が近づいてきた。
「なっなんですか?」
「どう〜今からおねえさん達と一緒にデートしない〜?奢るからさ〜?」
「うちらが可愛がってあげるよぉ〜。」
「結構ですっ!」
「そんなつれないこと言わないでさ〜。」
ギャルの一人が肩に腕を回してきた。
「いやっ、離れてください!」
「ふっ。」
「ひゃっ。」
さらに耳元に息を吹きかけた。
「きゃぁ〜可愛いぃ〜。ウブ丸出しじゃん〜。」
「おねえさん達がそんなウブな子猫ちゃんに色々教えてあげるから。」
「助けて…おねぇちゃん…」
「その辺にしろ!」
「えっ…?」
「あん?」
「なんだよ?てめぇ?」
「私はその子の彼女だ!だから手を出すな!」
「彼女…?」
「ちぇ、なんだ、すぐ近くに彼女が居たのか。」
「だったら最初から言ってよね、行こう、行こう。」
ギャル二人はその場から去って行った。
「だいじょうぶだったか?琴梨ちゃん?」
「あっうん…だいじょうぶ…
でも今の人達って、一体…?」
「前の世界で言う所のチャラ○の女性版みたいなやつだよ
どこの世界にもああいう、見境ないやつがいるんだ、困ったもんだよな。」
「そっか…話を聞いて納得…」
「怖い思いさせて、ごめんな…?」
「べつに怖くなんかなかったし、一人でもなんとか出来たもん…」
「強がらなくていい。」
「えっ…?」
雛(晴都)は琴梨の手をそっと握った。
「震えてるのが伝わってくる
やっぱり本当は怖かったんだろ?」
「そうだけど…わるい…?」
「わるくない、よく頑張ったな?」
ドキッ。
「何だよ…偉そうに…」
「あはは、偉そうか…」
「それより…さっき私のこと彼女って言ったよね…?どうして…?」
「あっえっとね!とっさに出た言葉だったから
深い意味とか本当になくて!
ただそう言った方があの人達は諦めてくれるかなって!」
「そっか…納得した…」
「ふぅ。じゃあ、家に向かうことにしようか。」
「うん…あのさ…家に着くまでこのまま手を繋いでてもいい…?」
「もちろん、いいよ。」
「あっありがとう…」
琴梨ちゃん可愛いなぁ、やっと妹として甘えてきてくれたみたい。
(気のせいだよね…あの一瞬の鼓動…
まさか、実のおねぇちゃんになんて…)
琴梨は心の中で自分に言い聞かせた。
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